デンマークのにぎやかな公共図書館(吉田右子)

映画「ニューヨーク公立図書館」に触発されて読み始めた北欧図書館シリーズ(勝手に名付けた(笑))の第1弾。

「平等・共有・セルフヘルプを実現する場所」と副題がありますが、正直、読んでいてそれを感じることなく、最後のまとめで記載されているので意識した程度でした。

北欧と言うだけでなんとなく憧れてしまう感じをもちますが、図書館の目的、存在意義をはっきりさせて、その上で運営しているという点こそ学ぶべき点が多いのだろうと感じました。映画を見たあとだし、この本自体も10年前のものだと言う事から、図書館での取り組みに画期的なものは感じられなかったけど、戦略があって戦術があるべきところに、トップの戦略なくして戦術しかないような日本との違いをもっとエッジを効かせて話を聞かせて欲しかった感じです。ソフトな無難な報告的内容になっているのはもったいない感じもします。

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ある補佐役の生涯 豊臣秀長(堺屋太一)

豊臣秀吉の弟で、たぐいまれな補佐役だった豊臣秀長に光を当てた作品。分冊文庫もあるけど1冊版を買ったら760ページ以上で片手で持って読むのもしんどい(笑)、ポケットにも入らない(笑)。長くて重い本だったけど面白かった(^^
 
大河ドラマ「秀吉」の原作にもなっているだけに読んでいても登場人物が竹中直人だったり、高嶋政伸に見えてきます。
 
強力なリーダーや指導者に優秀な補佐役。軍師より参謀に近いと言えますが、この物語での秀長の立ち位置は参謀よりやはり補佐役が似合っている感じです。
 
じゃ、完全に補佐役かと言うと、むしろ最近のリーダーシップのひとつとして挙げられるようになった「サーバントリーダーシップ」(リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くものである)の素養があったと言えるでしょう。「支配的なリーダー」ではなく「支援的なリーダー」と言う事で、この男がいたから秀吉は天下を取れたと言うテーマに則った作品です。
 
とは言え、この時代のことですから織田信長の天才ぶりにもことあるごとに触れています。ある意味、もっとも支配的なリーダーの見本のような織田信長と、その家臣(秀吉)の家臣である支援型リーダーの典型である秀長を対比させることで、より秀長のサーバントリーダーぶりが際立っている演出かもしれません。
 
大河ドラマ「秀吉」をまた見てみたくなる1冊。

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大人のための恐竜教室(真鍋真,山田五郎)

福井には恐竜博物館もあるし、福井駅前には恐竜もいっぱい?いるし、恐竜王国と言う福井県にいるからってわけでもないけど、改めて恐竜の話を読んでみました。子どもの頃は恐竜図鑑を見て恐竜同士が戦う想像図をゴジラ対モスラみたいに思って眺めたりしていたけど、最新の恐竜研究はすごいですね。本当に「へえ~」の連続となるような面白い本でした。
 
何よりも恐竜に限らず進化すると言う事。しかも、その進化は環境に合うように進化していくわけだから、異常気象や天変地異が起きると逆に環境に合うように進化したものの方が生存上は不利になり絶滅する、、ってバブルがはじけたり、リーマンショックが起きたりという時に、途絶える企業もあれば生き残る企業もあることに似ているようなところもあり、非常に興味深い話でした。
 
ダチョウは飛べない鳥ですが、その話も面白いです。昔は飛んでいたのですが、飛ぶ必要がなくなった、、そうなると、飛んでいる奴よりも速く走るダチョウの方がメスから好かれるとか・・・・想像とはいえ面白い。そうなると、飛ばないダチョウの方が子孫を増やす、、飛んでいるダチョウを見て「あいつまだ飛んでいるよ、ダサいね」なんて言われちゃう。それも環境のおかげなんですね。知れば知るほど面白い恐竜を子どもだけにまかせておくのは、もったいないですね。今度、博物館に行こう!

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福家警部補の考察 (大倉崇裕)

福家警部補シリーズ第5弾になるんですね。最初の作品が出た時に次の作品も読んでみたいと思ったのですが、なかなか出なくて、その後、このシリーズは3年くらいに1冊出ているみたいです。以前は、NHKドラマにもなっていた作品もありました。刑事コロンボ同様の倒叙形ミステリーなので物語の最初に犯人が殺害するシーンからというのがこのシリーズの特徴です。今回は短編4作が納められています。

私はこの
倒叙形ミステリーが好きなのでどれも無条件に受け入れますが(^^;、それでも、 「安息の場所」 「上品な魔女」(犯人、ある意味、怖いです!)は、警部補の追い込みが甘いまま犯人がギブアップした印象がします。 「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」は、殺害シーンのアイディアは一番好きですがいくら何でも推理が飛躍して強引のような。まあ、それも福家のご愛敬かな。「是枝哲の敗北」が従来パータンって感じでも安心して?読めました。犯人も一流だし(笑)

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傑作はまだ(瀬尾まいこ)

瀬尾まいこさんの描く変わった家族の「普通じゃない!の『普通』って何?」って言いそうな生き方や飄々とした価値観を持った登場人物が結構好きだったりします。引きこもりがちの作家・加賀野の家に、生まれてから一度もあったことにない息子が転がり込んでくるという設定です。血の繋がりしかない2人が奇妙な生活をしていくうちに、加賀野も影響を受けて町内付き合いをするようになっていきます。
それにしても、この「おっさん」(加賀野)、本当に作家としてやって行けるのかな(笑)。読者の私が心配になります。ラストは瀬尾さんの作品らしい結末です。
宮下奈都さんに続いて瀬尾まいこさんも本屋大賞になりました。2人とも、本屋大賞受賞前から好きな作家さんで、ひそかに応援していたので嬉しい限りです。

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答えのない道徳の問題「どう解く?」 (山﨑 博司 (著), 木村 洋 (著), 二澤平 治仁 (著), 小学生のみんな (その他))

1+1=2と言うようにひとつしか正解のない問題ではなく、考えることが重要な素朴な疑問。日頃意識しないで「豚や鳥や牛の肉を食べているけど、なぜ象の肉は食べないのか」って言われるまで考えていなかったです。
 
後半はその素朴な疑問に著名人が「答えて」います。その「答え」も、ひとつの考え方であり意見なんだろう。
 
それでも、
「『将来何になりたいの』ってどうして大人には聞かないのだろう?」って質問に答える卓球の水谷選手や
「どうしてお母さんは、ボクの嫌いな勉強をおしつけてくるんだろう?」って質問に、最後に「残ったものがあなたの勉強したものです」と言い切る棋士の羽生さんなど
秀逸な意見も多く大人もぜひ読んで欲しい一冊です。

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魔眼の匣の殺人(今村昌弘)

「屍人荘」の続編です。面白く読めました。今回の設定は予言と現実の殺人。まあ、怖いと言えば怖い気もするけど、前回の設定が衝撃的だっただけに。。。。心理戦からのトリックもよく練られていると感心したのですが、理屈っぽくなりがちです。読んでいくと「なるほどなあ」とか「そうか」とか思わざるを得ないのだけど、読まされている感じがぬぐえないです。



それでも、こういうシチュエーションへの挑戦のミステリーって結構好きだったりします。非現実的とか、そんな偶然ありえないとか、そんなこと思わず(前作もそうだった)に楽しみたい1冊です。

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火のないところに煙は(芦沢央)

恐い話と言う事を聞いてから読んだから期待先行しすぎでした。「世にも奇妙な物語」みたいと思いながら1話2話と読み進みましたが、なんか逆にラストで怖さが半減(笑)。最初の話「染み」の表紙裏の「染み」や、アパート浴槽の髪の毛のぐしゃりとした触感など、いい線までいっていたのになあって感じです。


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