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転落(永嶋恵美)

永嶋恵美さんの作品は、これがデビュー以来、3作目になるらしいけど、読むのは初めて。

全財産だった現金の入ったカバンを盗まれた僕は、ホームレスとなってしまった。そこで、知り合ったカナと言う小学生に食事を恵まれるようになり、カナのしもべになりはじめ、、、次第に人生の歯車が狂ってくる。

3章仕立てだけど、すべて?語り手が違う構成。1章はホームレスになり落ちた「僕」の話。歯車が狂うのは、カナという少女と出会ってから、次第におかしな方向に話が進み、読み手は「嫌なことが起きそう」ってプレッシャーを感じて読まずに入られない雰囲気になってくる。案の定、「事件」が起きて、1章は幕を閉じる

2章に移る。これ以降は、ネタばれになっちゃうので書けないけど、ホームレスや幼児虐待など、社会的な問題も取り混ぜながら、「善意」の中にある悪意のない「悪意」を考えるようなテーマだったけど、いかんせん、暗く重い(^^;

「仕事・子育て・夫の世話に追われる女は、いつ殺人を犯してもおかしくない。これは決して極端な話ではありません」と語る作者の永嶋恵美さん。う~~ん、真剣に読まないといけないは、仕事ばかりで、家庭も子育ても省みない世の中の男性かも・・・どきっ!

第3章は大変短い。これはホームレスになる羽目になった過程が書かれている。
少し、終盤は物足りなかった感じもするけど(わっ、って思うようなトリックは、2章の初めで提示されてしまうのだから、もっと大きなトリックを期待してしまった)、これ以上、「転落」の闇の中にいるのも辛いので、このあたりであっさり終わるのもよかった、よかった(^^)

怖い心理サスペンスと叙述トリックで、★★★★★

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