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ターン(北村薫)

交通事故に遭った瞬間から、時間が一日経過すると、また元の交通事故が起こった時刻に戻り同じ一日を繰り返す状態になった版画家の森真希。この状態を彼女は「ね」の最後の部分みたいで「くるりん」って言うのだけど、驚くべきことに、彼女の住む世界からは人や生き物が消えこの世に独りきり。その状態で、同じ日が繰り返されます。洗濯しても、1日経てば同じものが汚れて復活?版画を作っても、翌日にはなくなっています。

これって結構大変な状態です。

どうにか現状を打開したい主人公のもとに、ある日突然それまで不通だった電話が掛かってきます。そのあたり(3分の1くらい過ぎて)からどんどん読めました。そして、最後には・・・・

 
「スキップ」と「ターン」と「リセット」の3部作の第二弾ですが、どれがお好みかって言うのはそれぞれでしょう。すがすがしい感じでは「スキップ」に軍配が上がると思います。

しかし、この作品は、最初はとっつきにくい感じがしましたが(二人称で書かれていたりして)、終わってみれば熱中できたすばらしい作品でした。毎日の繰り返しは、何をやっても明日には、元に戻ってしまうわけですが、電話が通じてから次第にその日を生きるという意味を見出しようになります。そして、突然、現れたもう一人の「くるりん」被害者!このあたりから少しハラハラドキドキします。そして感動的なラストに。

この本の途中で、毎日の繰り返しに対しても前向きに生きようと主人公に変化が生まれます。このきっかけは電話の声「泉」さんによるところが大きいのですけど、時間というものを考えるときに、私たちも毎日同じような繰り返しをしているにもかかわらず、しかも永遠って言うものはないのにかかわらず、何かをやろうとしています。それは1日の命の作品でも同じことが言えるのではないか?ってことが重要なキーポイントのように思えました。

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» 北村薫 「ターン」 [ナガメル記]
ターン 北村 薫 / 新潮社 北村薫「ターン」読了しました. 時の人三部作の2作目ですよね,この作品. 昨年,キャラメルボックスで「スキップ」を公演するという事で, 北村薫さんという作家を意識しだしました. そして,「スキップ」は丁寧に書かれたとても良い本でした. 更に,キャラメルボックスの公演は,その世界を見事に描いたものでした. そして,時を置いていよいよ「ターン」に挑戦する事にしました. この本を読むまでに... [続きを読む]

受信: 2005.06.19 12:03

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