« 雪の正月 | トップページ | 仕事始め »

さよなら妖精(米澤穂信)

マーヤと言うユーゴスラヴィアからきた一人の若い女性と高校3年の数名の男女の物語ですが、「ミステリフロンティア」第三回配本とあるように、ミステリー仕立てになっています。

このミステリーがすごい2005の20位に入りましたが、その前に買ってあって、読んでいなかった本です。20位なら早速読まないとね、、って気分で正月早々読みました。

ミステリーと言っても、殺人も密室もなく、謎解きも謎解きと言えるかどうか、物語の途中に出てくる謎は小さいもので、最大の謎は、逆に、正直言ってその謎を解くのは億劫で文字を読むだけって感じでしたが、新鮮な感じもします。

 
ただ、マーヤと出会った事で、ユーゴスラヴィアに行きたいと思う高校生の気持ちや(そこまで思い込むようになると言う過程が少し希薄で、読む側が同じステージに立てないって雰囲気でした)、異常に歴史や社会情勢に詳しい受験生(受験生だから詳しいのだろうか、、読んでいて、あまりの知識の豊富さに引いてしまった)など、少しこちらが戸惑ってしまい、そのために最大の謎に手に汗握る感覚を持てなかったです。結果も多分、そうだろうと根拠もない推理どおりです。

この小説の前半に主人公の部活である弓道部の試合の様子が出ます。なかなか詳しい描写で、この役割について考えたくなります。主人公が通うのは藤柴高校の弓道部。実は私も今からかなり昔、藤島高校の弓道部。なんともゴロも似ている高校名で意識しました。

弓道の話が出ると言うのは、なかなか本を読んでいても出会うことがありません。その意味では興味を持って読めました。私はもうてっきり、弓道場で矢に打たれた死体が見つかるなんていう「卒業 雪月花殺人ゲーム」(東野圭吾)風の作品を思い浮かべながら読みました(前知識がないというのは、それはそれで楽しいものです(^^;)。参考文献には弓道関連の本が紹介されていなかったので作者は弓道をやっている方かやっていた方なのでしょう。

しかし、惜しむらくは、弓道とこの本の提供するテーマとの関連を「哲学的な意味」で示してくれてもよかったかな(^^;

★★★★

|

« 雪の正月 | トップページ | 仕事始め »

コメント

初めまして。
最近米澤穂信さんのファンになった者です。「さよなら妖精」を読んだのですが、確かに弓道のシーンは詳細に書かれていて、その辺りはすごいなと思いました。
友人が弓道を習っている関係で、多少なりとも理解しているつもりでしたが、頭で理解するのと、それを言葉にして書くのとでは大違いです。なので、さらりと弓道のシーンを書かれていらしたのには感心しました。
主人公の知識のすごさには私も「こんなのありかなあ」と思いながら読んでおりました。歴史的知識の他、郵便ポストのことなど、普通知っていなさそうな雑学までさらりと説明していたので、よほどに勉強熱心な受験生なのかなと。
以前の記事に恐縮ですが、トラックバックを送せていただきました。

投稿: 千秋あき | 2005.05.09 23:34

千秋さん、はじめまして。

コメントありがとうございます。
サイトも拝見しましたが、さよなら妖精だけでなく、他にも同じ話題があったので後ほどトラックバックさせていただくかもしれません。よろしくお願いいたします。

弓道はもう何年も前の話で、読んでいて「そう、そう」って思い出すような感じでしたから、かなり書き込めている感じです。この「さよなら妖精」は昨年読むつもりが、ずっと未読で積んであって、今年早々に読みました。今のところGWまでに読んだ本の中では、私的には13位です。

投稿: ごえもん | 2005.05.10 07:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51937/2464050

この記事へのトラックバック一覧です: さよなら妖精(米澤穂信):

» さよなら妖精 [蒼天百景]
「さよなら妖精」米澤穂信(東京創元社) 読みやすい文章、判りやすい展開。というこ [続きを読む]

受信: 2005.05.09 23:30

» さよなら妖精 米澤穂信 [IN MY BOOK by ゆうき]
さよなら妖精米澤 穂信 東京創元社 2004-02by G-Tools ミステリ・フロンティアから出ているので、もちろんミステリーの要素もありました。でも、基本的にこれは、「ボーイ・ミーツ・ガール」の青春小説でした。 1991年。ユーゴスラヴィアから日本に来たマーヤという少女と、4人の高校生が知り合い、2ヶ月という短い期間ですが、友情を育みます。主役は、守屋という、夢も目的もない、ごく一般的な男子高校生。彼は、自分の国の未来を真摯に考え、ユーゴスラヴィアの新しい歴史をつくるべく、学習に余念... [続きを読む]

受信: 2005.11.08 11:01

« 雪の正月 | トップページ | 仕事始め »