« 三月は深き紅の淵を | トップページ | 夜のピクニック(恩田陸) »

追憶のかけら(貫井徳郎)

最愛の妻を亡くした大学講師。失意の底にある彼の許に持ち込まれた、戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。そこに秘められた「謎」とは。

作品途中に200ページほどの未発表手記が挿入されています。その手記の謎も面白く引き込まれるので、意外に一気に読み進むことが出来ました。主人公である大学講師の松嶋はなんとなくうだつの上がらない男だけど、ある意味、微笑ましい人柄です。ちょっとその人のよさも行き過ぎの面があって国文学者としては、失格かなって思えちゃいました(^^;。でも、どうして教授はこの講師に目をかけたのかな。。。

 
この人の良さというか、焦りと物事をいい加減にしちゃう癖があるのか、それが致命傷になる予感がして、案の定、物語はそういう方向に流れていきます。

でも、全体的にテンポもいい話なので、重苦しいテーマのわりには、集中力が途切れない作品になっています。ただ、ラスト近くの謎解きに関しては、ちょっと二転三転が強引な面もあって、涙を誘う感動のラストが取ってつけたようになったのは惜しいです。それさえなければ、きっと「このミステリーがすごい」でも、ベスト20には入ったのでは?

それにしても、女性が男性を好きになる心理って、なかなか奥深いものがあります(^^)

★★★★★

|

« 三月は深き紅の淵を | トップページ | 夜のピクニック(恩田陸) »

コメント

はじめまして。
私もこの本、読みました。

>涙を誘う感動のラストが取ってつけたようになった

そうそう。ラストはちょっといただけないですが、二重構造のミステリー、登場人物の性格描写は楽しめました。

TBさせてくださいね。

投稿: かつき | 2005.06.09 13:54

TBありがとうございます。私もTBさせていただきました。
ラストが本当の意味で感動していたら、このミステリーがすごい!でももう少し上位に行ったかもしれないですね。

投稿: ごえもん | 2005.06.09 21:20

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51937/3921560

この記事へのトラックバック一覧です: 追憶のかけら(貫井徳郎):

» 『追憶のかけら』  貫井徳郎 [猛読醉書Blog]
主人公の松嶋は私立大学の非常勤講師。 喧嘩をして実家に帰っていた妻が、交通事故で亡くなる という信じられないことが起こります。 喧嘩の理由には、夫の松嶋に一方的な非があります。 仲直りもできず、3歳の娘もそのまま妻の実家が 引き取る形になっています。 また、妻の舅は、松嶋が非常勤講師を勤める大学の 同じ文学部教授で、有力者。 松嶋は妻との喧嘩の理由などの負い目、 非常勤講師の薄給などから、 娘を引き取ることもできずに�... [続きを読む]

受信: 2005.06.09 10:48

» (書評)追憶のかけら [たこの感想文]
著者:貫井徳郎 事故で妻を失った大学講師の松嶋。義理の父であり、大学の有力教授で [続きを読む]

受信: 2005.06.30 23:44

» 追憶のかけら(貫井徳郎) [まあぼの交差点]
前半でひきつけられて,ずうっとおもしろかったけれど,最後に肩透かしを食らってしまった。というのが貫井徳郎の「追憶のかけら」を読み終わって感じたこと。自分の非(風俗店にいやいや付き合わされたことがばれた!)で娘と実家に帰ってしまった妻が突然の事故死。娘は...... [続きを読む]

受信: 2006.03.01 01:08

« 三月は深き紅の淵を | トップページ | 夜のピクニック(恩田陸) »