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その日のまえに(重松清)

連作短編集で、「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」の3つの連続作品の中に、それまでの話の登場人物が微妙に絡んできています。

この作品で扱うのは若くして死と向かい合わないといけない家族です。誰でもいつかは死ぬのだけど、なかなか仕事を辞めたり(定年になったり)するのとは違って、自分の人生の最後の日を決めておくのは難しいものです。無限であるはずないのに、終わりのない生き方をしている感じです。しかし、「告知」は、確実に「死」と向かい合うことになります。それが残酷なのは「どうして自分じゃないのといけないのか」「どうして愛する人じゃないといけないのか」と言う選ばれた理不尽さでしょう。

しかし、いみじくも本文の中にありましたが、「人生を考える」ことが意味があると言うことかもしれません。真剣に、「生きる」と言うことや「死ぬ」と言うことを考えると言う機会が与えられるだと言う視点は少し新鮮でもありました。

死ぬと言うことと、植物人間のようになっていると言うのは、大きな隔たりがあるのだろうとも思いました。それは死ぬ事は残されたものが、いつかは「忘れる」と言うことでしょう。思い出すことはあっても、日々の生活の中での存在は少しずつ小さくなります。

しかし、こういう作品は涙腺を刺激していけませんね。ちょうど出張中の新幹線の中で読み出したからいけません。ときどき読むのを止めて目を閉じて寝た振りを・・・(^^;

 
収録作品

 ひこうき雲
 朝日のあたる家
 潮騒
 ヒア・カムズ・ザ・サン
 その日のまえに
 その日
 その日のあとで

この作品には家族が中心でしたが(ひこうき雲はクラスメイト、潮騒もそうとも言える)、その分、ひこうき雲や潮騒も印象的な作品でした。しかし、最も印象的なのは、「最後の手紙」にあった言葉。自分は死ぬ時に家族に、友に、何て言うのだろう。改めて限りあるもの(人生)をいかに使っていくか(過ごしていくのか)、人生設計ならぬ人生計画はあってもいいような気がしました。私は78歳まで生きれたらベスト(^^;。でも、周りに迷惑かけないような終盤を迎えたいものです。

★★★★★

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» その日のまえに [普通のコト。スキなコト。]
重松清さんのその日のまえに。7つの短編集。 通勤途中の電車の中で読むことが多く、普通であればとっくに読み終えているのだが、今回はなかなか先に進まない。というのは、読み進めては泣けてしまい、本を閉じ、ハンカチを取り出し、マスカラが落ちないようナミダフキフキ。恥ずかしさもなんのその。。コレじゃなかなか終わらないようねぇ。 今日は「ヒア・カムズ・ザ・サン」の途中でストップ。 何曲目かが終�... [続きを読む]

受信: 2006.01.04 22:45

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