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ハルカ・エイティ(姫野カオルコ)

直木賞候補になったので読んでみました。そして、風邪で寝込んでいたのに夢中で読みました。

1920年生まれのハルカの一生を描くドラマで、まるでNHKの朝の連続ドラマのよう(って言っても連続ドラマを見ていませんが)。戦前・戦中・戦後と描かれたこの一生を読んでいて、教師であり自転車で通勤と言う姿を「スキップ」の真理子さんにダブらせました。
戦争時代の苦しい悲惨な生活の中にもなにかしら「楽しみ」を見つけて生きるハルカさんの前向きさは読んでいても楽しいものです。女学校時代、一緒の友達となる友達と比べて、ないものをないと嘆くより、あるものをあると喜ぶことを選ぶ「そのほうが、たのしい」と気づくのです。いつも、どんなときも、楽しむという気概をもって生きているそのこと自体がハルカの魅力を大きくしています。

 
女性の一代記とは言うものの、このハルカの話は、時代に先立ち女性の立場を切り開くような話でも、感情のままに奔放に生きた話でもありません。少しは裕福だったのかもしれないけど、多分、中産階級に生まれて育った普通の女性が、ものの捉え方や気持ちのもって行き方で楽しく生きる様を描いているのでしょう。妹は逆にいつもネガティブに物を捕らえるけど、その妹にも温かい視線をおくっています。

欲を言えば、、、56歳(1976年)のハルカさんで物語は終わっています。現在86歳のハルカさんの60代の姿も70代の姿も見てみたかったです。高度成長時代が終わり、バルブ崩壊など、以前にも増して激動のスピード時代をハルカおばっちゃんはどんな「楽しみ」を見つけているか知りたいものです。

★★★★★

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