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2006年4月の記事

天国と地獄

高台の豪邸に住む靴製造会社の重役・権藤の息子(なんと江木俊夫がそうだったのか、当時はマグマ大使に出ていたはず)が誘拐されるが、誘拐されたのは人違いで運転手の息子だった。しかし、犯人は構わず権藤に身代金3000万円を要求する(3000万円といえば今の価値だったら3億円くらいでしょう)。そのお金は、全ての財産を抵当に入れて、靴製造会社を手に入れようとするために用意したお金で、これを使ってしまうと自分自身が破滅になるのだが、権藤は身代金を払うために、特急「こだま」(まだ新幹線は出来る前だったのでしょう)に乗る・・・

こうした前半のサスペンス、後半の犯人追い込み、そして終盤の「天国と地獄」。まさに一級品です。社会派サスペンス映画の金字塔で、ストーリーを知っているにもかかわらず緊張感漂う出来になっています。白黒映画なのに、唯一カラーのシーンがあり、そのシーンでは分かっていても、背中がゾクゾクとしました。

誘拐犯の山崎努さんは若い(^^;(仲代達矢さんも若いけど)しかも、屈折した思いをうまく表現しています。あのような人間もいた時代があったのでしょう。権力や金に対して憎悪までになってしまう内面のサガとでも言うのでしょうか、それが医者の卵と言う立場だから、今から思うとすごく複雑な気持ちで見ることになります。

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ダ・ヴィンチ・コード(上)(ダン・ブラウン)

ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。

かなりのヒット作品でしょうけど、外国作品と言うことで避けていました。今度映画化されることになり、しかも、盗作の疑惑が裁判では退かれたので、無事公開でしょう。そこで、先に原作を読んでおこうというのがGWのテーマです。

ダヴィンチコードと言うくらいだから暗号に関することでしょうけど、それがどんな話か前知識もなしに読み始めました。なんとなく読み進めるうちに、インディジョーンズみたいな感じをお持ちました。そして、上巻最後に出てくる「聖杯」!まさにインディ(^^)。宗教のうんちくが散りばめており、学術的に暗号を解くと言う感じはするものの、深夜のルーブル博物館やパリの中を駆け巡るカーチェイスなど、映画のシーンをイメージするとインディジョーンズになっていました(^^)

登場人物も少なく人の名前も分かりやすかったので、結構スピーディに読めました。
と言うことで、とりあえず(上)を終えた時点での感想です。続けて(中)に挑戦。

★★★★★

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小さき勇者たち~ガメラ~

Photo_6試写会に当たったので見てきました。光ったのは「この胸いったいの愛を」で近所のお姉さんに恋する子役をやった富岡涼くん。この映画でも主演でひとり頑張っていた印象です。
この映画、タイトルは最近の映画にありそうなタイトルでしたが、内容はどうみても「ガメラ対ジーダス」ってくらい昔の怪獣映画風でした。もちろん街は近代化されていますが(そういえば主演者の自宅の「あいざわ食堂」は昭和40年代風のイメージでした)。

昭和のガメラとも平成のガメラとも違うガメラなのでしょうけど、私にはゴジラの子供の「ミニラ」のようにしか思えないし、悪役ジーダスは、もう、ちょっと見に最悪なほど悪役の顔をしていて、これまた「突然」現れて、町を破壊し始めます。これって。昭和30年の代の怪獣のノリだなって思っていたのは私だけかな(^^;

クライマックスは昨年の夏のロケと言うことで、名古屋は地球博などで盛り上がっていた最中だったのでしょう。そんな名古屋の暑い夏、「小さな勇者『たち』」の意図をもう少し出せていたらって思うけど、しょうがないかな。

★★

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80対20の法則を覆す ロングテールの法則(菅谷義博)

以前、ロングテールについて何かの記事を読んで、アマゾンに代表されるような手法とは知っていたけど、改めて、個人の価値観の多様化などの側面から、ロングテールの法則を勉強しようと思って手にした本です。

ロングテールの法則とは、従来のマーケティング常識の「80対20の法則」(売上の8割は2割の優良顧客が生み出すと言うパレートの法則)を覆す現象のことです。あえて覆す必要はないけど、覆すといった方がインパクトがあるでしょう。つまり、「売れない8割」すなわち「ロングテール(長い尾)」が、「売れる2割」を超える売上をもたらすと言うことです。

そうは分かっていても、通常は、「売れない8割」にコストをかけるのは難しい問題です。コストをかければ売上は伸びるのですがコストパフォーマンスが悪くなるために「売れる2割」にコストをかけるのでしょう。しかし、それがネット時代になりコストが限りなく0に近づいたときに、「売れない8割」を切り捨てるべきじゃないと言うことです。

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伊藤園のものみたい(^^;

あははは。デザインを変えたら、伊藤園の社員みたいになっちゃった(^^;
まあ、いいか、お茶はいいものだから。

お~~い、お茶!

誰ももってきてくれないので、ひとり立ち上がってビールを探す私。。。

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アイスエイジ2

Photo前作が人気だったので2が出来たのかな。全然知らない映画でしたが、久しぶりに試写会にあたり観て来ました。人気モノらしい動物キャラが楽しいストーリーを演出するので、会場内の子供たちは楽しめた感じでした。大人でも笑えるシーンがありますし、気楽に楽しめる映画と言うのはこういうものかもしれません。アニメと言うかCGがすごくきれいで素晴らしいものですね。こうした技術の上にできる映画といえるでしょう。。

時代は「アイスエイジ」の表題どおり氷河期ですが、地球が暖かくなり氷河が溶けると言う話になり、近年の地球の状況に繋がるものがあります。しかし、そんなにシリアスじゃなくって単純に楽しめる映画です。私が見たのは、字幕版じゃなくって吹き替え版だけど、太田光、竹中直人、山寺宏一らが声を担当しています。それぞれ似合った役割で、全く違和感ないどころか、字幕版よりもいいんじゃないかって思うくらいでした。

★★★☆

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春期限定いちごタルト事件(米澤穂信)

ずいぶん前に買っていたけど、「春期限定」とあったので、この時期に読み始めました。「いちごタルト事件」と言うように「事件」であって「殺人事件」ではありません。日常の些細な出来事(それが、テスト中に割れた瓶であったり、消えたポシェットであったり、謎の2枚の絵であったり、美味しいココアの入れ方の謎)であったりするのだけど、当事者にとっては「事件」を、灰色の脳細胞を働かせて解き明かす連作短編集。そんなポアロみたいな記述はないし、高校生1年の小佐内さんと小鳩君はもっと若々しいのですが。
小佐内さん、小鳩君と言う名前からして、穏やかな感じの高校生って感じですが、波風を立てずに小市民として生きていきたいと思う高校生です。高校生にしては少し覇気がないか(笑)。

と言うこと、ライト感覚な探偵物語です。こういうのは嫌いじゃないけど(むしろ好きだったりしますが)ちょうど今の私はもう少し濃厚なものがほしい時期だったので、少しもの足りない話でした。

●収録作品
「羊の着ぐるみ」
「Your eyes only」
「おいしいココアの溶き方」
「はらふくるるわざ」
「狐狼の心」

★★★☆

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サウンド・オブ・サンダー

Photo_1この映画の評判が悪いと言うことで、どうしようかと思っていたのですが、まあ、公開もあとわずかになったし気分転換に見て来ようかと福井シネマ4に行って来ました。シネマ4というのは、映画館としてはかなり小さい方で100名収容。この時点で流行っていないなあって思ったのだけど、観客はなんと2名。ひどい状態だなあ。

西暦2055年、タイムマシンで白亜紀までいけるようになり、その時代に飛んで恐竜狩をすると言うツアーが登場しました。もちろん恐竜を殺すのは過去を変えることで問題があるのだけど、計算によって、火山の噴火で死ぬ間際の恐竜を殺すことで、過去に大きな影響を与えないと言うことらしいです。しかし、そのツアー中に、誤って過去からあるものを持ち帰ってしまうのです。

そのことで、過去にいるはずのものがいなくなり、生態系が変ってしまい、未来に時間の波と言う形で変化が来ます。はたして、人類滅亡の危機を救えるのか!?

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今、会いにゆきます

昨日テレビで見ました。最近テレビので見なものを紹介していないので、久しぶりに紹介します。
泣ける映画と言うことだけど、映画館じゃなくテレビだったせいか集中力がなくて、それほどでもって感じで終わりました。ラストの謎解きを反芻して、そちらに意識が行き過ぎたのかも。それでも竹内結子さんと中村獅童さんの演技もよくてずっと見てしまいました。

(以下、少しネタバレになります)

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クローズド・ノート(雫井脩介)

「火の粉」「犯人に告ぐ」の俊英が贈る2006年最初にして最高の物語!
と言うキャッチコピーです。この作家の「火の粉」も「犯人に告ぐ」も読んでいるので、これは読まないわけにはいけません。で、その手のミステリーと思って読むと大きな間違い。ちゃんと帯に書いてあるけど「切なく暖かい恋愛小説」でした。よくみれば、表紙のイメージからもそんな感じはしたのです(^^;

気になったことを先に書いちゃおう。
万年筆の話は、興味のあるものだったし、よかったとは思うけど、少し冗長すぎなかっただろうか?どうも本題の前が長すぎるような印象をぬぐえません。また大学生がこんなに万年筆に詳しいとは驚きです。そういえば、自分は万年筆を使わないなあ。いい物を使ってみたいけど、やっぱりボールペンがいいかな。

さて、その万年筆の話題は、のちの話につなげる上で重要なことでしょうけど、もうひとつ気になること。あまり重要ではないキャラ(^^;だけど、星美と言う女性が出てきます。この女性、、、ドラマに出てくるような嫌らしいキャラで(でも、それも本当にそうなのか?恋する女性からライバル視で表現されているから不利な面もあるとは思うのです)、それもあまりにそれすぎて演技を見ているようで、現実感をもてなかったです。

感動?のラストは、途中でカラクリが見えちゃったので少し半減ですが、伊吹先生のノートは清々しいものがありました。後はネタバレになるので(推理ものじゃないけど、ストーリーも楽しみと言うことで)、読んでのお楽しみと言うことにしましょう。

★★★★

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ハーフタイムシアター

キャラメルボックスのハーフタイムシアターと言う1時間くらいの劇を2本公演する舞台を東京まで見に行きました。1昨年の「スキップ」(日程的に見る事が出来なかったけど)に始まる「タイムトラベル」シリーズで、昨年の「クロノス」(昨年出張中に東京初日公演を見る事が出来ました!)の原作「クロノスジョウンターの伝説」の残り2編が原作です。

「クロノス」は原作前に見に行きましたが、大変よかったので、今回の2作も迷わず観たいところです。1時間と言う短い時間に1本のお芝居をすると言うことで、時間はあっと言う間に過ぎる感じでした。その分、背景とか分からなくなるかなと言う心配もありましたが、そんな心配も少ないようです。もちろん、原作を読まれていたり、全作の「クロノス」を見ていたり(見逃した人はDVDで観ておく)すると、より楽しめる事は間違いないです。

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福邦銀行オーケストラコンサート

4月9日(日)14:00
指揮 :三枝成彰
ピアノ:三舩優子
オーケストラアンサンブル金沢

モーツァルト
・アイネクライネナハトムジーク
・ピアノ協奏曲第23番
・交響曲第40番

今年はモーツァルト生誕250年と言うことで、モーツァルトの曲が演奏されることが多いですが、今回のコンサートも「モーツァルト生誕250年記念特別企画-モーツァルトの人生-」と言う副題がありました。

座席は会場に行くと引き換えで決定されるのですが、私は前から2列目のやや右よりでした。

今回の演奏会は、中のピアノ協奏曲は別の指揮者が演奏すると言う変り種(三枝さんは、自分は作曲家で指揮者ではないのでピアノ協奏曲は難しくって・・・って(笑))。しかも、休憩時間のあとの交響曲第40番の前に、トークショーがありました。

そのトークショーはピアノ協奏曲の演奏者の三舩優子さんと、当日の指揮者の三枝成彰さん、それに茂木健一郎さんでした。茂木さんは脳とか計量できないもの(クオリアと言うらしい)を研究しているみたいです。確かに「感動する」とか言うのは計ることができないもの。音楽を聴いて感動するとか、好きな人によろこんでもらえて嬉しいとか、科学的に数字で言い表すようなものではないものがあるのも事実です。

創作についても話が出ました。モーツァルトは大変忙しかったけど、それでもあんなに作曲できたのだから、現代人の忙しい人でもまだまだ大丈夫?・・・う~ん、天才モーツァルト一緒にするのは無理があるけど・・・

と言うことで、まるでテレビの「題名のない音楽会」のような内容でした。演奏はまあまあでした。感動するような素晴らしい演奏って訳ではないけど、モーツァルトと言うことでリラックスモードで聞いていました。

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盗作(飯田譲治)

一気読みしました。と言っても、さすがに2日間かけてですが・・・。
片田舎の平凡な女子高生・彩子は、ある晩、衝撃的な夢を見た。憑かれたように、その夢の光景をキャンバスに描きあげた彩子の作品は、とてつもない作品で、日本中を震撼させたのですが・・・・。

表題は「盗作」ですが、むしろ「創作」とオリジナリティを問うた作品になっています。天才は何かに憑かれたように創作するのかもしれません。モーツァルトもその原稿(スコア)には、修正したところがひとつもなく一気呵成に作ったものが多いと聞きます。素晴らしい作品と言うのは、そういうときもあるのかもしれません。

その作品が万人に感動を与えたときに、それがすでに存在していた作品だったら・・・。
絵や音楽、小説などは確率的に少ないでしょうけど、たとえば17文字の川柳などの場合は、同じような発想はもちろん、一字一句違わない作品が出来ることもあるでしょう。それは盗作ではないにしてもです。つまり、どんなに素晴らしい作品であっても過去に同じ句があれば、それは「2番手」でしかないのです。同時の場合は、両方とも没になるとも聞きました。

それくらいに先に切り開くと言うのは尊いことなのでしょう。

でも、この作品では、どうして同じ絵が出来てしまったのか?少し非科学的だけど、そういうこともあるのかもしれません。凡人には分からない何かが・・・。

最初はこの高校生の絵画作品の真偽を問う内容かと思いましたが、読み始めたら、壮大な一大叙事詩のようで、これは、どうにか映画化してほしいものです。2時間枠に納められないかな(^^;。とにかく楽しい作品でした。

★★★★★

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終末のフール(伊坂幸太郎)

8年後に小惑星が地球にぶつかると言う。それはすごいパニックになるでしょう。惑星は直径20kmくらいの大きさだけど、地球の生命を破壊するには充分な大きさなのでしょう。

この物語は、それから5年後。あと3年で人類滅亡となる日々をおくる8個のエピソードです。登場する人物は、「どうせ死ぬのだから」と略奪を行うような人物ではなく、どうせ死ぬのなら残りの日々を静かに平和に暮らしたいって言うような人物です。

世の中は、8年前は確かにパニックで略奪や殺人が多かったみたいだけど、そんなことをしていても何も変らないときがつき始めた時期と言うのもあるみたいだし、何よりも警察の治安強化が機能していると言う時代になったみたいです。しかし、どうして人類滅亡が近づいているのに警察は機能しているのか??そこは読み始めて、すぐに疑問だったのだけど、その理由もおいおい紹介されています。

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砂漠(伊坂幸太郎)

印象に残ったのは麻雀とキックボクシングです(^^)

伊坂さんの書き下ろし長編は大学生を描いた青春小説。個性的なキャラが生き生き描かれているので楽しめます。最初は軽いと思った鳥井が、ある事件で片腕を失い落ち込んでいる様子と、その相棒の北村のコンビは、「青空の卵」に出てくる引きこもり探偵・鳥井と「僕」を思い出させましたが、本作では、それにアツい西嶋、クールビューティの東堂、超能力を持つ南など、個性的キャラがにぎわします。

楽しく読めて面白かったです。例によって物語が絡み合うやり方や伏線の張り方など、うまい物語展開とも思ったけど、伊坂さんの作品だとどうしても期待が大きくって(^^;

しゃべる案山子などが出てくる作品もあるのだから、超能力でピンチを救うって言うのはあってもいいけど、以前のどこか架空のおとぎ話的感じから、かなりリアルな学生生活って感じで舞台を移したので、超能力の発揮もご都合主義に思えてしまう。

近くにいたら疎ましい西嶋だけど、話す事は妙に納得させられてしまうのが、さすがと思わせるものがありました。そんな西嶋に引かれる美人の東堂、それもありかなと思ったりするところが学生の自由さかもしれません。

余談ですが、東堂さんのお父さん「それはいいね。ちょうどそうしたらいいと言おうと思っていたんだ」って台詞、懐の深さを感じさせました。

ちなみに麻雀を知らない私には、役のすごさが分からずに、麻雀がやたら強い女性・南のすごさが超能力だけになってしまったのは残念。

最後に、表紙はどうにかならないものかな(^^;

★★★★☆

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