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天国と地獄

高台の豪邸に住む靴製造会社の重役・権藤の息子(なんと江木俊夫がそうだったのか、当時はマグマ大使に出ていたはず)が誘拐されるが、誘拐されたのは人違いで運転手の息子だった。しかし、犯人は構わず権藤に身代金3000万円を要求する(3000万円といえば今の価値だったら3億円くらいでしょう)。そのお金は、全ての財産を抵当に入れて、靴製造会社を手に入れようとするために用意したお金で、これを使ってしまうと自分自身が破滅になるのだが、権藤は身代金を払うために、特急「こだま」(まだ新幹線は出来る前だったのでしょう)に乗る・・・

こうした前半のサスペンス、後半の犯人追い込み、そして終盤の「天国と地獄」。まさに一級品です。社会派サスペンス映画の金字塔で、ストーリーを知っているにもかかわらず緊張感漂う出来になっています。白黒映画なのに、唯一カラーのシーンがあり、そのシーンでは分かっていても、背中がゾクゾクとしました。

誘拐犯の山崎努さんは若い(^^;(仲代達矢さんも若いけど)しかも、屈折した思いをうまく表現しています。あのような人間もいた時代があったのでしょう。権力や金に対して憎悪までになってしまう内面のサガとでも言うのでしょうか、それが医者の卵と言う立場だから、今から思うとすごく複雑な気持ちで見ることになります。

 
個人的には、この映画の舞台となる横浜に11年間住んでいて、どこが舞台か、それも楽しみのひとつでした。

権藤氏の豪邸は浅間台の高台にあることになっています。浅間台は、住んでいたところからかなり近いです(高台じゃなかったけど(^^;)。そこから見下ろす横浜の町は、当時はまだまだバラックや工場の煙突が見えて、その向こうに、そのまま港まで見えますが、今ではきっと高層ビルしか見えないでしょうね。

平沼橋あたりが犯人の住処だったのかなって感じです。あのあたりに東京ガスがありますが、それが映画のシーンでも見えました(多分そうだと思う)。それにしても、今では考えられないような住まいの状況だったのだなあって感心しました。

一方、ラスト近くで犯人が麻薬の実験をするのが、伊勢崎町から黄金町。黄金町のあの路地裏のような様子は、とても戦後何年もたった状態とは思えないような廃人と廃墟の様子を描いていましたが、当時はどうだったのだろう。私が保土ヶ谷寮にいたときにも、なんとなく黄金町あたりの映画館には行きづらかったなあ(^^;

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