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歓びを歌にのせて

Yorokobi東京で「カーテンコール」を見たときに予告編でやっていた映画でした。世界的に有名になった指揮者が故郷に戻って聖歌隊を指揮すると言う話ですが、こうした話は結構好きなストーリーで、その指揮で聖歌隊がどんどんうまくなって・・・って言うのは、頑張れベアーズのようなイメージでいました。そう思ってみるとなかなか一筋縄では行かない作品でもありました(^^)

母ひとり子ひとりの境遇のダニエルは、小さいころいじめにあっていた村を7歳で引越し、音楽家になることを夢見ていた。希望通り、天才指揮者として世界的な名声を得たが、コンサートで心臓発作で倒れてしまう。8年先までのスケジュールが埋まっていた彼は、全てを捨てて故郷に戻るが、幼少時と名前を変えていたため、村人は彼がこの村の出身だとは気付かなかった。

そして、彼は、牧師らに小さな教会のコーラス隊の指導を頼まれる。全てを捨てたために、再び脚光を浴びることに抵抗を感じてはいたが、聖歌隊の歌を聞き、自ら指導を引き受けたい思うようになる。指導を始めてから、心から音楽を愛する彼らの気持ちに触れ、ダニエルは再び音楽の素晴しさを実感していく。

ここからあとはネタバレです。

 
しかし、この聖歌隊のメンバーには、それぞれ悩みを持つような人が多くいました。特に、夫の暴力に悩むソリスト、牧師との夫婦関係がうまく行かない妻など、少し描きすぎの感があります。そのためにどの話も深くなく、中途半端に放り投げられた感じがするのです。メインはその話ではないので気にしなくてもいいし(^^;、まあ、目をつぶろうという感じはしましたが、この2つの夫婦に関してはどちらかひとつで充分だったようにも感じます。

ダニエルが恋をする天真爛漫で誰にでも分け隔てなく接するレナは、この聖歌隊の中では救いの天使のようですが、それもまた突然、年上の医者との恋がトラウマになってなっていることが出てきます。こうしたそれぞれの人物の過去や悩みなど描くのはいいのですが、盛り込みすぎで、そのあとは映画の中では描かないから勝手に想像してくださいねって言うような印象でした。

そして感動のラストシーンも急性な展開でした。

コンサートの時間に間に合わない指揮者が、慌てて駆け込んで心臓発作で死んでしまう(と私は思った)、、、それ自体はいいのですが、間に合わない理由が、自転車で街中をサイクリングしていたからと言うのは、どうも・・・そんな理由はスウェーデンでは普通なのだろうか!?

指揮者は、あんなにオーストリアでのコンサートに反対していたのですから、そこに何か得体の知れない過去があり(そのことで、あまりいい思い出のない故郷に戻った)、その問題解決(それが自分らしく生きるための第一歩なら、この映画のテーマにもあっていたでしょう)のためにコンサートに間に合わなくなり、慌てたことで心臓発作が再発したと言うようにしてもよかったかなと思った次第です。

見る側にゆだねるような作品といえば、そうかもしれませんし、映画そのものに問うのもどうかと思うので、こうした手法の映画も面白いかもしれません。それでも、せっかくのメインテーマである「自分らしく生きる第一歩を歌を通じて体感する」と言うことが霞んでしまっては残念です。

でも、最近のCGやスペクタルものと違って、ミニシアターで好まれそうなこうした映画は、映画本来の作品かもしれません。そういう意味でも、もっと紹介されてもいいかもしれません。

★★★★

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