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プリズム (貫井徳郎)

まず「プリズム」と言う題は、なかなか素晴らしい命名だと感じました。

推理小説では、最後には犯人が確定すると言うのが決まりのような感じを漠然と思っていますが、その結末は作者の意図した結末と言うことで、重要なのは途中経過で、結末ではないと言うことを示した作品です。

もうひとつの要素は、人間と言うのは普通は一筋縄ではいかないくらいに、多面的な面をもっているのでしょうけど、推理小説に登場する人たちは、二面性くらいはあるとしても、それも、犯罪を隠すための犯人のポーズであったり、被害者の意外な面を示すことで、推理が意外な方向に飛ぶことが目的であることが多いでしょう。

しかし、この作品では、本当に万華鏡のようにくるくる変ります。

明るく生徒にも人気のあった山浦先生が殺されます。この本は、4章からなる構成ですが、それぞれの章は、「教え子」「同僚」「元恋人」「不倫相手」の4人の視点で書かれています。その視点の違いが、人間の多面性をかなり際立てています。

それで結末は、、、それは、なんていったらいいのだろう。こうした内容も面白いです。解説にも書かれているように、「毒入りチョコレート事件」など複数推理を楽しむものがあります。また結末は、東野圭吾の「どちらかが彼女を殺した」「私が彼を殺した」などを思い出すような感じでした。

★★★★☆

 

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