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2006年6月の記事

絵門ゆう子のがんとゆっくり日記(絵門ゆう子)

NHKのアナウンサーで当時は池田裕子さんが、その後、フリーとなり、キャスターや女優として活躍していた2000年に乳がんが発症。そして全身に転移したのですが、その後は、がんと向き合ってと言うか、がんと共存して、がんの治療を受けつつも執筆や講演、朗読コンサートなどを行なってきた記録です。朝日新聞に連載していたものをまとめたもの。(最近、モニターとしてこの本が当たったのです)

2006年4月6日に亡くなったのですから、つい最近のことです。この日記はその1週間前の新聞掲載の3月30日で終わっています。がんと戦うと言うよりも、どの人にも人生の終わりはあるのに、がんと言うだけど余命が・・とか言うのは嫌だと言うことで、今生きていることに感謝して、今日をしっかり生きると言う感じが出ていました。

しかし、タイトルは「ゆっくり日記」なんですが、読むと本当に忙しそうにあちこち飛び回って活動をされています。どう考えても「奮闘日記」みたい(^^)。しかも、たまに出てくるご主人がほのぼのしていて、こちらの方のほうが「ゆっくり日記」的な雰囲気をかもし出していました。

本来、何年間か1週間ごとに連載されたものなので、それを一気に読むと、なんとなく同じイメージがこびりつくようで、同じテーマの日記をまとめて読むものじゃないかもしれない。でも、「がん」と宣言されたらこんなふうに気丈に生きれるだろうか?絵門さんの人柄と言うか行き方には本当に学ぶところも多い本です。

★★★

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バルトの楽園(シネマ3)

Photo_14映画の前に珍しくCMがありました。アートネーチャーとルフトハンザとキリンビールです。この3つともこの映画の協力会社だそうです。ドイツ人がたくさんでいますのでドイツの会社の協賛は分かりますが・・・アートネーチャーは、あの松平健の髭のようです。さらに、キリンビールは・・・見てみるとわかるのですが、第一次世界大戦のあとの大正初期の時代に、キリンビールのぼんぼりはあったのですね(^^;

で、このお話は、ベートーヴェンの第九を日本で初めて演奏したドイツ人捕虜の実話だそうです。営業的なコンサートではないにしても初演って訳ですね。そうなるとそれだけでも見てみたいお話でした。

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強い会社をつくりなさい(小山昇)

小さくても強い会社って言うのは私の理想です。その意味でも「強い会社をつくりなさい」って言われれば「はい」と返事したいところです(^^)。しかし、強い会社とは何だろう。これが分からないと・・・。

それにしても、この本に書かれているようなことを実践するかどうか、そこだけですね。口言うは易く、行動するのは難しいものです。

★★★

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「良心ある企業」の見わけ方 向社会性という新しい企業価値(小榑雅章)

ウェブ進化論の後に読んだ影響もあるのだろうけど、いかにも古いと言う感じがしました。

ここでいわれている企業の品格と言うのは、たとえば、今はやりのライブドア問題や村上ファンド問題に代表されるように、かなりグレーぽい手法についても、まとめられていて、かつての大企業の不祥事とは、また違った意味で経営者の品格が重要になって句と言う点で同意したいところです。

しかし、企業そのものをある1点から見て、それだけで評価する事は出来ないし、その実例としてダスキンを取り上げていたりするのだけど、品格の基準が曖昧で、読んでいて心の響くものがなかったです。

ダイエーが破綻したことについては、あまり書いていませんでしたが、納入業者への無理なリベート要求などあった事実について、こうしたこと自体も品格がある企業といえるのかどうか、自らメスを入れて欲しかったものです。

★★

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ウェブ進化論(梅田望夫)

ようやくこの本を読みました。そうか、そうだったのかって、感心する私は1957年生まれ。そう、ビルゲイツが1955年生まれでWeb1.0世代なら、同じ世代です(それなのに資産は雲泥の差ですね(笑))。その世代の人間にも、この本を重要な示唆的な内容を含んでいることが分かります。

私はパソコンを持てることに感動した世代で、パソコンの向こうに無限の広がりがあることに感動する世代に対して、「世代的限界」があるのかもしれません。しかし、この本を読むと「こちら側」の人間である事は立場上しょうがないけど「あちら側」の世界のある価値観の広がりを理解できる人間にならないといけないとも感じました。

そこに新しい市場や価値観の創生って言うことが可能になるのかもしれないと感じされるほどの良書でした。

★★★★★殿堂入り

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三谷幸喜のありふれた生活(三谷幸喜)

表題どおり、ありふれた生活ですが、三谷幸喜さんの目で見ると、それが生き生きしてくるようで楽しいです。生き生きと言っても、活気あるとかそんな意味じゃなくて、むしろテンションは意識的に低くしてある感じですが(笑)、物の光の当て方が違うのかな、そこが新鮮だったりします。

朝日新聞の毎週の連載なんですが、当初の3ヶ月と言う契約からいまだに続いていると言うから6年と言う人気コーナー。最近、書くと言うことを意識している私。だから、1日ちょうどいい字数をチェックしていました。運命の日まであと1ヶ月と10日になってしまった。。。。

★★★★

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デスノート前編(シネマ3)

Deathnote
6月17日公開で、この日公開のバルトの楽園と合わせてみたいものと思っていました。しかし、一番大きな映画館は「トリック」を、その次は「海猿(明日の記憶と交代で)」を上映していて、「デスノート」と「バルトの楽園」は共に100席の小さなスクリーンでのロードショーでした。

しかし、20時半の回に開始待ちの人が結構多く、意外に人気があるのかなと、ぼんやりと考えていました。なにしろ、前知識無しで、なんでも漫画でやっていたそうで、だからかもしれないけど、若者が多いのです。子供を連れた親の方もいて、私はひとりで場違いな世界に迷い込んだみたいでした。

しかし、映画が始まったら、どっぷりこの世界にはまっちゃいました。
本当に楽しめた映画でした。よく考えると(よく考えなくても)ありえない話ですし、しらけてしまう面もなきにしもあらずとは思うけど、この世界に浸かってしまった私には、どれもワクワクするような展開に思えました。恋は盲目って言うもんね(^^;

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6ステイン(福井晴敏)

防衛庁情報局…通称、市ヶ谷。公に出来ない地下組織に属する工作員たちと彼らに関わる人を描いた短編集です。福井さんの作品といえば圧倒的な厚み(^^;の長編モノで、超人的な主人公が多い中、珍しく短編で、しかも、登場人物は普通は一般市民。

普段は別の仕事をしていたり主婦であったりする人たちが、本部からの指令が出ると一転、緊張した状況下で命を張っての仕事なる(しかし手当は低い(笑))と言う短編が6編です。しかし、最後の2作「断ち切る」「920を待ちながら」は中篇と言ってもいいボリュームでした。

個人的には、福井さんには長編が似合うなあって思っていましたが、その中でも収録作品の中で「媽媽」「断ち切る」「920を待ちながら」は秀作で楽しめました。特に「媽媽」の母としての立場、「断ち切る」の爺やとしての立場など、そちらの面でも楽しめたので、長編との使い分けがうまいと思わせる作品でした。

収録作品
いまできる最善のこと
畳算
サクラ
媽媽
断ち切る
920を待ちながら

★★★★★

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ホテルルワンダ(メトロ劇場)

Photo_131994年、アフリカのルワンダ。長年続いていた民族間の諍いが、大虐殺に発展し、100日間で100万もの罪なき人々が惨殺される。アメリカ、ヨーロッパ、そして国連までもがこの悲劇を黙認する中、4ツ星ホテルに勤める支配人 ポール・ルセサバギナは行き場のない人々をホテルに匿いはじめる。虐殺者たちを懐柔し、翻弄し、時には脅しながら、彼はたった一人で避難民たちの命を守りぬいた。家族を守ることだけを考えていた一人の父親が、1200人を救うヒーローへと飛躍する奇跡の過程を描いた実話。

確かにポールは、現地の人間としては少々上流階級に属するとは思うけど、ヒーローと言うよりも、むしろ弱々しい小市民的な存在でした。多分、根っから暴力的なことが嫌いだったのでしょう。しかし、力強いヒューマンドラマに仕上がっています。

アフリカではよくあるのかもしれないけど、民族間の争いがどうして起きるのでしょう。きっと、敵を意識的作ることで結束するのでしょう。そして何よりも感じたのは、きっとこの現地人たちの裏にある武器商人。アフリカ以外で作られた武器が大量に現地で売られて、それを手に争うと言う姿は、アメリカも欧州もどんな目で見ているのだろう。銃はなくても刀や鉈などを使うこともあるだろうから同じことかもしれないけど。

石油などの資源のない国は、住民までも見捨てられてしまう悲惨さを映画いた皮肉な見方も出来ちゃうところが怖いです。

妻のタチアナ役のソフィー・オコネドーさん。今年見た「イーオン・フラックス」に出ていたので印象深い顔がよく目立ちました。アカデミー助演女優賞にノミネートされたみたいだけど、納得の演技でした。あとチョイ役でしたが(^^;、最近よく出てくるジャン・レノがホテルのオーナー役で出演。なかなか渋い役をこなしていました。しかし、パンフレットにも名前が出ていない??

★★★★★

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LIMIT OF LOVE 海猿(シネマ2)

Photo_12もう公開からずいぶん経った土曜日の20時半の回なのに、思った以上に人がいてびっくりでした。かなり人気の作品ですね。

前作の映画を見て、タイトルロールのあとに続編を予感させる内容があったけど、その後、テレビ作品を経てこれが映画館での作品はとしては2作目です。

前回の新入生としての訓練から、今回は1人前の潜水士として座礁して転覆しそうな船から救出を試みます。単独作品としてみると評価は難しいけど、今までの下地があるので、見に来ている人もすんなり感情移入できたに違いないでしょう。結構感動している感じでした(映画を見なくて観客を見てどうする(^^;?)

ポセイドンを見たばかりで、同じような状況でした。規模は違うにしても、逆に規模が小さい分、身近な感じて、雰囲気は他人事にならなくてよかったかもしれません。

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出口のない海(横山秀夫)

この春に回天基地を見てきましたが、その回天と言う海の特攻隊・人間魚雷に乗り込む若い人たち。戦争末期の生と死のはざまの揺れ動く気持ちが描かれています。

感想の書きにくい作品ですが、横山秀夫さんの作品とは言え、あまり横山臭さがない感じです。その点は、作品自体はデビュー前の作品が母体になっていると言うことも影響しているのかもしれません。しかし、いつにないさらりとした人物像や淡々とした物語の進行に、逆にのめり込みました。

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まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん)

まほろ駅前で便利屋をひとりで営む多田。そこに同級生だった行天が転がり込んできて、多田と行天コンビの便利屋稼業が始まると言う、魅力満点の連作集!

この作品は、瀬尾まいこさんの「強運の持ち主」の中にあった新刊案内チラシで知った作品です。三浦しをんさんの作品はもちろん初めて読みますが、なんと言ってもこのタイトル「多田便利軒」が読んでみたいと思った最大の理由。これが「伊集院便利軒」だったら読まなかったでしょう。

主人公は同じ「多田」でも私とはだいぶ違う感じのかっこいい男。コンビといえるかどうか分からないけど、行天とは同級生だけど、なぜか、雰囲気といいコンビといい、かつてのテレビ番組「傷だらけの天使」を彷彿とさせる作品です。

多田の性格描写や行動パターンなどは類似性がある作品もあるだろうけど、同級生の行天は、その名のとおり仰天するような人物。これだけの人物はなかなかいないでしょう。特に高校時代のエピソードには驚かされました。最近読んだ奥田英朗の伊良部医師の上を行くような感じでありながら、どこか、ほろりとさせられる行動がまた可愛くもあります。

★★★★★

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プリズム (貫井徳郎)

まず「プリズム」と言う題は、なかなか素晴らしい命名だと感じました。

推理小説では、最後には犯人が確定すると言うのが決まりのような感じを漠然と思っていますが、その結末は作者の意図した結末と言うことで、重要なのは途中経過で、結末ではないと言うことを示した作品です。

もうひとつの要素は、人間と言うのは普通は一筋縄ではいかないくらいに、多面的な面をもっているのでしょうけど、推理小説に登場する人たちは、二面性くらいはあるとしても、それも、犯罪を隠すための犯人のポーズであったり、被害者の意外な面を示すことで、推理が意外な方向に飛ぶことが目的であることが多いでしょう。

しかし、この作品では、本当に万華鏡のようにくるくる変ります。

明るく生徒にも人気のあった山浦先生が殺されます。この本は、4章からなる構成ですが、それぞれの章は、「教え子」「同僚」「元恋人」「不倫相手」の4人の視点で書かれています。その視点の違いが、人間の多面性をかなり際立てています。

それで結末は、、、それは、なんていったらいいのだろう。こうした内容も面白いです。解説にも書かれているように、「毒入りチョコレート事件」など複数推理を楽しむものがあります。また結末は、東野圭吾の「どちらかが彼女を殺した」「私が彼を殺した」などを思い出すような感じでした。

★★★★☆

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