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出口のない海(横山秀夫)

この春に回天基地を見てきましたが、その回天と言う海の特攻隊・人間魚雷に乗り込む若い人たち。戦争末期の生と死のはざまの揺れ動く気持ちが描かれています。

感想の書きにくい作品ですが、横山秀夫さんの作品とは言え、あまり横山臭さがない感じです。その点は、作品自体はデビュー前の作品が母体になっていると言うことも影響しているのかもしれません。しかし、いつにないさらりとした人物像や淡々とした物語の進行に、逆にのめり込みました。

 
国のために死ぬんじゃなくって、愛する人を守るために特攻すると言う搭乗者の心情は、回天の記念館でよく分かったのですが、本作品でも書かれているように、誰と戦争しているのだろうと言う不思議な感覚が漂います。敵も見た事がないのに戦っているのは??それは己との戦争と言う境地に行き着くのです。

この本では、「自分が死んでどうして守れるか?」「自分が特攻すれば必ず守れるという約束できるのか?」逆に「死んでしまったら守ろうと思っても守れないのではないか?」って言うような疑問から、軍隊における「死んで行く夢をもって生きる」ことの困難さが描かれています。

この作品は映画化されるそうで、原作と監督のコンビは「半落ち」以来の同じコンビ。あの「半落ち」は原作以上の映画化に感心したものです。この作品も期待したいものです。あとは、ボレロの曲もそのまま原作どおりに採用して欲しいものです。

★★★★★

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