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魔王(伊坂幸太郎)

なんだか不思議な魅力を持つ小説でした。伊坂さんの本はどれも不思議なことが多いけど、この本も例外ではありません。前半の「魔王」と後半の「呼吸」、話は続いているけどテイストの違う作品でした。

しかし、前半のあの能力(思ったことを相手に言わせてしまう能力)は結局なんだったんだろう??後半の確率10分の1以下なら確実に当てる能力と言うのは何だったんだろう??って疑問が残る中途半端な作品のようにも思えますが、これはきっと、本文中の犬養首相が国民に向かって言う「よく考えろ、そして選択しろ」って言っているような突き放し方なのかもしれません。

よく分からないままの小説として消化不良である面と、新鮮な魅力を感じさせる面と、両方の性格がある小説ですが、そんな感触がかえって楽しいです。

 
小説に出てくる犬養首相のキャラクターは、とてもいいです。この首相も特種能力を持っているみたいですが(反対派を心臓麻痺で死なせてしまう、、、なんて、まるでデスノートを思い起こさせるような出来事が起きます)、政治家はみんなやるべき事は知っているけど、やらないだけと言うのは納得が行きました。こういう政治家を選びたいものです。
しかし、私は「めくれているスカート」を直す勇気はないかもしれません。心の中だけで直すのでしょう。それでも、世の中は変っていけるかな。

諸君はこの颯爽たる
諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか

この言葉がよく出てきましたが、宮沢賢治を読みたくなりました(^^)。この「諸君」とは、中等学校生徒諸君なんだけど、この年になった自分も未来からの透明な清潔な風を感じていたいものです。

★★★★★☆

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