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温室デイズ(瀬尾まいこ)

瀬尾さんの最新作。学級崩壊の中学校で、こんなことがいいはずないと自分ながらに戦った2人の少女の話です。各章、交互に2人の視点から描かれています。こうした2人の少女の話は「きみの友だち」(重松清)を思い浮かびます。

瀬尾さんらしい優しい奇跡はあるのですが、瀬尾さんの今までの作品は、どちらかと言うと家族や家庭がテーマでした。血のつながりであったりして、そこに友達などが絡んできます。学校での様々な出来事に辛いことがあっても、自分の価値観で家族と言うものを見る視線がありました。

しかし、今回の作品は、学校そのものの話が「場」となっていましたし、今までの奇抜な主人公(奇抜でありならそれが本質のような素直な目をもっている)よりも、むしろどこにでもいるような価値観を持った生徒が出てきます。中学校の先生になってから(クラスも担当するようになって)作風は変りつつあるのかもしれません(前作でもそんなイメージを持ちました)。

この作品も悪くないのだけど(むしろすごくいいのだけど)瀬尾さんの初期の作品にあるような、変人だけど実は誰よりもピュアな気持ちを持った優しい暖かさを読んでみたいものです。

でも、この本を読んでみて、きれたり、登校拒否になったり、いじめをしたり、、、どれも「温室」での出来事で、ほんのちょっとしたことで理由もない出来事のように描かれていました。そのあたりは新鮮でよかったなあ。

★★★★★

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コメント

TBありがとうございました♪
瀬尾さんが一番身近に見ている、学校での中学生の姿が描かれていましたね。
大人に対する戒めと中学生たちへのエールを感じました。
これからどんな風に作風が変化していくのかが楽しみです。
教師としての仕事忙しいと思いますが、書き続けて欲しいですよね。

投稿: エビノート | 2006.08.15 20:22

こんにちは、エビノートさん。

何かの拍子に瀬尾さんの作品をしって
(図書館の神様を読んだのが最初)
それ以来全作読んでいますが、
独特の雰囲気が好きです。

おっしゃるとおり、教師としての仕事は
大変でしょうけど、これからもいろんな
観点の作品を書き続けて欲しいものです。

投稿: ごえもん | 2006.08.15 20:36

はじめまして。

教育現場が舞台のお話に興味があるので、この作品の世界にのめり込んで読んでしまいました。
瀬尾さんの作品はまだ他に「幸福の食卓」しか読んでいないので、これからもっと手に取ってみたいと思います。

投稿: よ~じん | 2006.08.17 07:56

こんにちは、よ~じんさん。

この作品は学校が舞台ですよね。
図書館の神様もそうだったけど、
クラスそのものを描いたのは初めてかな。
いつも家族が多かったから。

他の作品も面白いものが多いですね。
優しい音楽なども楽しかったです。

投稿: ごえもん | 2006.08.17 20:08

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温室デイズ ≪内容≫ 今最も注目の作家が贈る、痛くて沁みる極上青春小説。 トイレでタバコが発見される。 遅刻の人数が増える。 これらの始まりの合図に教師たちはまだ気づかない。 私たちの学校が崩壊しつつあることを。 私には一体何が出来るのだろうか……。 ....... [続きを読む]

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装画はノグチユミコ。装丁は鈴木久美(角川書店装丁室)。 2001年、「卵の緒」で坊ちゃん文学賞大賞を受賞、翌年同タイトルの単行本でデビュー。2005年、「幸福な食卓」で吉川英治文学新人賞を受賞。主な作品「図書館... [続きを読む]

受信: 2006.09.04 11:49

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