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顔のない敵(石持浅海)

石持さんの作品はほとんど読んでいるけど、割と限られた条件下での殺人として、その発想に感心しています。ただ、動機と言う点ではいつも弱い気がしているのも、この作家の特徴です。

しかし、今回は地雷をテーマに地雷除去の活動を中心に描いた短編集で、地雷除去活動の中で殺人が起きるとは、なかなか面白い着眼点です。しかも、殺人者は存在するのですけど、犯人を告発したり、逮捕されると言うの事はありません。この作品の魅力は、地雷に関して勉強になったと言うことのほうが大きいかな。

収録作品

「地雷原突破」
「利口な地雷」
「顔のない敵」
「トラバサミ」
「銃声でなく、音楽を」
「未来へ踏み出す足」

「暗い箱の中で」


最後の、「暗い箱の中で」は別作品です。地雷短編の中にも少しご都合主義的な理由付けがありましたが(それが他の作品でも動機に関して共感をもてないことに繋がる)、最後のこの処女短編である「暗い箱の中で」は「世界最小の嵐の山荘」的ミステリーとのことですが、この限られた状況作りと動機の納得のいかなさは、まさに私の石持さんのイメージの原点があるようにも思えます。

でも、そんな風に「ああだこうだ」って言いながらも目の離せない作家で、そういう意味では今回の作品も楽しませていただきました。

★★★★☆

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» 石持浅海「顔のない敵」に見る彼の原点 [ipsedixit assembly]
石持浅海という作家をご存知だろうか?私が昨年末に嵌ったミステリー作家なのだが、こ [続きを読む]

受信: 2007.01.21 18:48

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