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わらの人(山本甲士)

何かの雑誌か新聞か、もう忘れたけど紹介されていたのが面白そうだったので読んでみました。「人生を変える理容店ってあるかも」って言う帯ですが、6編の短編集のそれぞれの主人公は、どこか冴えなかったり、言いたいことが言えないタイプだったり、、、ああ、人生にはこう言う事ってあるんだなあって思わず同意しちゃいそうな、どこにでもいそうな人たち。

そんな主人公たちが、成り行きで女主人が営業している理容店で髪を切ってもらうことになります。いつも行く美容院が休みだったり移転したりして、この理容店に出くわすのです。この女主人のマッサージが、相当にうまいらしく、そのうち主人公はうたたねし、目を覚ますとびっくり!思いもしなかった奇抜な髪型にされてしまうのです。

しかし、髪形が変わったことで、なんとなく人格が別人のように変わっていくのです。そして、彼らが(彼女らが)抱えていた問題(これがいかにもありそうな問題なのですが)のもやもやとしたことが、全く違う人格で対応できるようになると言う、まあ、本当に爽快で痛快な連作短編集です。

ただ、髪型は変身したけど、性格は変身と言うよりも(性格だから変身は変だけど)、むしろ主人公たちの内部にあった「自分はこうありたい」と言う願望じゃないだろうか?そんな願望は誰でも持っているのに、社会と言う中で生きていくうちに殻を作って閉じ篭ってしまうのかもしれない。それが処世術だったりするのかもしれませんが、そんな殻を破るようなきっかけを作ってくれる理容店の散髪の仕方なのでしょう。

わたしも散髪に行こう・・・・髪型を変えるだけの量がない(^^;

★★★★★

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