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螺鈿迷宮(海堂尊)

「バチスタ」「ナイチンゲール」「ジェネラル」と続いた作品とは出版社も違っていて、内容的にも続編というよりは「外伝」的な要素が強い作品になっています(出版順番では、「ナイチンゲール」の次ですが、内容的にも、本の主旨的にも、「ナイチンゲール」と「ジェネラル」を続けて読んで、そのあとに1~2冊くらい他の作家の本を読んでから、この本を読むといいでしょう)。

従来の3部作が東城大学病院を舞台にしたものに対して、今回はその東城大学病院と関連のある桜宮病院へと舞台も変わり、内容的にも「バチスタ」3部作がスピード感あるエンターテイメント小説であるのに対して、かなりブレーキがかかった感じで結構シリアスな問題を提示しています。

 
東城大学に医学生として留年を繰り返していた天馬大吉は、幼なじみの新聞記者・葉子(この人物も過去に出てきていますね、名前だけだったかもしれませんが)から、碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受けます。「ナイチンゲール」で出てきた桜宮病院は、老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化させた複合型病院で、終末医療の最先端施設としてメディアの注目を集めていましたが、その経営には黒い噂が絶えない状況でした。天馬はその依頼を受け、ボランティアとして桜宮病院に通い始めますが、そこで「この病院は、あまりにも、人が死にすぎる」と感じます。奇妙な皮膚科医・白鳥(当然あの白鳥です)と看護師・姫宮(氷姫です)と出会うことになり、はたして桜宮病院に隠された謎とは・・・となるのです。

終末期医療の難しさ、今の時代でも安楽死か延命処置かという議論があるように、かなり医療業界の問題部分に切り込んだテーマを扱っていると思いますし、病院自体も少し怖い雰囲気のある、一昔前の病院を想像させてくれる内容ですが、惜しむらくは、少々深みがなかったかも。その分、内容の割に考えさせられることが少なかったです。

というのも、もしかしたら重いテーマなのに氷姫や白鳥のキャラが軽いからかもしれません。エンターテイメント向けのキャラを登場させるあたりに苦しい点があるのかも。

この作品には続編が出そうな雰囲気です。次作にも期待したいものです。
しかし「螺鈿」って読めなかったです。

★★★★☆

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