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ネバーランド(恩田陸)

どこか分からないけど田舎の有名私立男子進学校の寮は、冬休みに入って帰省していく生徒が多く、残ったのは、美国(よしくに)、光浩、寛司の3人。その3人に通学組の統(おさむ)を加えた4人が、すごす7日間を描いた作品ですが、心地よいいい作品でした。それぞれ4人とも帰省しない複雑な家庭を持っているのだけど、それが作品の中でも書かれているように、ぐれてしまうほどのパワーもなく、生きるしかばねのようになってしまってもおかしくないような状況でも、この4人はいきいきして自分で自分の位置に立っている感じです。

 
その意味では出来すぎの4人ですが、、、その出来すぎというのは、決して優等生という意味の出来すぎではなく、キャラ的に出来すぎということですが(そのためか、語り役の美国が少し平凡の思えてしまうほど)、それでも、それぞれの性格が目に見えるように生き生きしたものになっていて楽しいです。それはたぶん、作者の登場人物への思い入れのたまものでしょう。あとがきを読んでそう思いました。

書かれた時代は2000年。決して昔ではないけど、寮というのが2階建の木造で築30年は経っていると言うくだりで、なぜかノスタルジーを感じさせます。それはそういった場の提供だけでなく、高校生につきものの携帯が出てこない点も大きいと思います。2000年のころは、田舎高校生はまだ携帯を持たなかったかな。携帯があれば、こうした話も雰囲気が変わってくるかもしれないです。

恩田さんの学園ものってどれも面白いですね。とにかくうまい作品でした。

★★★★★☆

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