« 夢から醒めた夢 | トップページ | ヴィズ・ゼロ(福田和代) »

下流志向(内田樹)

この本を買ったときに、勝ち組とか負け組とか言われる時代に、その負け組にスポットをあてた本かと思いました。しかし、内容は思ったものと違って、帯通り「学力低下、ニート増大の深層」というような内容でした。思ったものと違ったのですけど、読んでみるとこれが意外に面白かったのです。

1億総中流と言われた時代がありましたが、今はそんな言葉も聞かなくなりました。私はあまり詳しくないけど、日本では資本主義でありながら社会整備の面では高度成長期時代に社会主義的な施策もあり、こうしてみんなが中流を感じることができたのでしょう。しかし、規制緩和と自由な競争が、勝ち組とか負け組を作る要因になっています。

こうした社会システムの変化は、教育や働きがいにも影響するのでしょう。

興味深いのは昔の子供たちは、家事などのお手伝いから社会参加したのだけど、今は物を買うと言う消費行動から社会参加していると言うことで(それだけ世の中が裕福になったのでしょう)、消費の原理(等価交換という考え)が根にあると言う説明は何となく納得できるものでした。こうした考えもあるのかと感心したものです。

学びにおいて「それは何の役に立つのですか?」という質問があります。しかし、本来学ぶと言うのはそれがどんな役に立つのか、まだ見えていないから、学ぶものであると言うことで、本来「何の役に立つのか?(役に立たないなら無駄だという意図があるのでしょう)」というのは、消費の原理に似ていると言うものなんです。おカネを払うだけの価値があるのかってわけですね。

ということで、なかなか参考になった話でした。

★★★★★

|

« 夢から醒めた夢 | トップページ | ヴィズ・ゼロ(福田和代) »

コメント

この本は読んでいないのですが、内田さんの文章、結構好きです。
学者さんだけど、わかりやすく、具体的に書いてくれているので。
「褒めるよりけなす方が簡単だけど、褒めてくれる人がいたから今の自分がある」という内容の文章が、心に残っています。

投稿: 駄々猫 | 2007.07.13 14:32

こんにちは、駄々猫さん。

読んだことのある方の作品なんですね。
この本は、講演会の内容を文章に起こしたようで
読んでいてもまるでセミナーを受講しているみたいです。
最後には、質疑応答の時間をそのまま付録のように
つけられているのも面白いです。

何よりも発想が新鮮でした。

PS
いろいろとブログなどで米五のサイトなどの
ご紹介をいただきありがとうございます。

ときどき拝見しております(^^)
(RSSに登録してあるので更新時にチェックなんですけど)

投稿: ごえもん | 2007.07.13 18:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51937/15726168

この記事へのトラックバック一覧です: 下流志向(内田樹):

« 夢から醒めた夢 | トップページ | ヴィズ・ゼロ(福田和代) »