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ヴィズ・ゼロ(福田和代)

最初、「ウィズ・ゼロ」かと思ったら「ヴィズ・ゼロ」。意味は、ヴィジビリテ・ゼロということで「視界ゼロ」ってことでしょうか。

香港を飛び立ったDC-9がハイジャックされて関西空港に着陸。その犯人が日本政府につけつけた要求は、お金ではなく「パラシュート」と「給油」と「ホームページを見れ」というもの。話は日本政府を巻き込んだ大きな謀略サスペンスとなっていく感じです。

本作がデビュー作ということですが、内容はなかなか濃いです。話もスケールの大きなテーマですし、舞台となる管制官の様子、飛行機のパイロットの様子、さらに複雑なコンピューター、などなど、新人のしかも女性の?作家とは思えない文筆という感じです。かなり調査もしたのでしょう。もしかすると今年の「このミステリーがすごい」に選ばれるってことはないでしょうか?

なんでも、福田和代さんはSF好きが高じて工学部に行き、ミステリーファンとなるそうですが、現業は金融システム開発のシステムエンジニアとか。なるほど、ハッカーの話やシステムの話が半端じゃないと感じたはずです。

こうした作品は割と好きですので、このまま映画化くらいしてほしいものですけど(読んでいてもかなり映像的なサスペンスドラマを感じました)、話の内容的には日本政府ならびに国家の危機のはずだけど、警察や政府の高官があまり出てきません。官房長官は出てきますが、先端で動くのは警察庁の13年目のキャリアである出石くらい。そこにも謎はあるのですが、そのあたりが少し弱いです。

ちなみに、この本を読み始めたのは出張中の飛行機の中。嵐の中を関西空港に降りるシーンでは、実際の飛行機が前線の影響でかなり揺れたので、臨場感たっぷりでした(^^;

★★★★★


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コメント

今頃読んで・・・と思われるかもしれませんが、何かのタイミングでこの本を知り、読んでみました。図書館で借りたので急いで読みましたが、なかなかよく書けています。話の展開が分かりにくところもありますが、サスペンスもありちょっぴり「薫さん」のお色気もちらっと見えて、おじさん読者には好ましい。ただ、今の警察キャリアはこんなに現場で”活躍しない”と思ったけど。佐々さんの時代はそうかも。
ともかく面白かったです。

投稿: ネズミとトリのパパ | 2009.05.14 16:51

こんにちは、ネズミとトリのパパさん。

感想ありがとうございます。
だいぶ前に読んでいるので少し記憶がかすんでいます。
でも、デビュー作でこれだけの大がかりな
サスペンスがすごいといった印象でした。

「TOKYO BLACKOUT」はいつか読んでみよかと
思っています。

投稿: ごえもん | 2009.05.14 21:57

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