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赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)

私の名前は「多田」ですけど、こちらは「赤朽葉」です。2文字の名字の私としては、なんとなく5文字の名字には格式ある旧家のイメージがありますが、まさにこの赤朽葉家も横溝正史の話に出てくるお屋敷のようで、それだけで、おどろおどろしい感じがしてしいます。そこにきて「伝説」ですからねえ。

この本はこのミステリーがすごい2位になった作品ですが、ミステリーと言うには、その謎は話の雄大さに比べられてあまりに情けない感じで、むしろ、ミステリアスな女三代の話と認識した方がいいかもしれません。そう認識しても、このミス2位は、、、ちょっと評価が高すぎるような気もしましたが・・・

でも、正月早々2008年の第1番目の本として選んだのはよかったかも。

 
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子・万葉は村の若夫婦(この若夫婦がなんと「多田」夫妻なのだ!その後の多田家の家族はこの物語にいろんな場面で登場する)に引き取られ、のちにはこの鳥取で製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになります。この万葉の話が第1部、そして第2部は万葉の何人かいる子供うちいちばん波乱万丈な「毛毬(けまり)」(この万葉の子供はみんな名前が変。泪、毛毬、鞄、孤独など、、、文章を読んでいて名前と気が付くのに戸惑う)。不良少女の暴走族から人気漫画家になるという、エンターテイメント120%の展開です。そして、この物語の語り役である毛毬の娘が瞳子。この瞳子になって、ようやく謎解きが始まるのですが。

女三代、昭和の戦後史に合わせて話が進むために大叙事詩になっているわけですけど、いかんせん、ひとつひとつのエピソードがあまりに表皮的な感じもします。これが知らない時代なら意識もしなかったのでしょうけど、東京オリンピックも石油ショックも知っている時代だけに物足りなさを感じるのかもしれません。

過去にこの手の話があれば、歴史の教科書で読んだ事件や出来事が起きている時代を生きている人たち語られているので、また別の生き生きした感じがするのですけど、自分の歩みとさほど変わらない時代を生きた人たちと言うのが、どうも旧家・赤朽葉家と近代の出来事が妙にミスマッチの印象を持っちゃうのでしょう。

★★★★

あけましておめでとうございます。
今年初めての書き込みは「赤朽葉家の伝説」でした。映画もアイアムレジェンドを見に行きたいと思っているし、、、伝説スタートの1年の幕開けかも(^^)
ここを読まれている方には、ことしもよろしくお願いいたします。

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コメント

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。

桜庭さんの作品は、『少女には向かない職業』を読んだことがあります。
下関の島が舞台になっていてGyaoでドラマになるというので読んだのですが、ちょっと独特の世界観でした。

ごえもんさんは沢山本を読んでいらっしゃるので、今年もお勧め作品があったら紹介して下さい。
よろしくお願いします。

投稿: hibiki | 2008.01.05 16:43

hibikiさん、あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

私は作者自身を初めて知りました。
この作品も独特の世界観と言う感じもありますが
なぞ解きは物語の設定の比較するとちょっと
弱いかもしれませんね。

今も読む本は山積みにされていますが・・・
ちっとも進みません。
Wiiを買ったからかも(^^;

投稿: ごえもん | 2008.01.05 20:48

TBありがとうございます。

たくさん本よまれてるんですね。
ときどきよらせていただきます。

「赤朽葉家の伝説」に描かれる昭和って
一種のパラレルワールドな気がするんです。
現実によく似た仮想現実って考えると
表皮的な物語に力が宿っているワケが
伝わるような気がするんです。


投稿: わなべたけし | 2008.01.05 23:15

こんにちは、わなべたけしさん

なるほど、あの昭和をパラレルワールドって
思うのですね。その視点で女性が生きた時代の
背景と見るといいかもしれませんね。


投稿: ごえもん | 2008.01.06 13:31

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とりあえず 今年のテーマとしては、 観たもの、 読んだもの、 観てないもの、 存在しないもの、 間違えて視えてしまったもの …などのレビューをしてみようと思うのです。 ネタバレありです。 ちょっとだけど ▼ 桜庭一樹・著「赤朽葉家の伝説」 その....... [続きを読む]

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