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プラハの春(上・下)(春江一也)

以前、駅前の本屋さんの天井まである本棚にこの本はあったのです。当時は文庫本でなくてハードカバーで、プラハに興味ある私としては、タイトルのプラハの文字にひかれたのですけど、1968年のチェコの民主化運動を舞台に、冷戦の非情に翻弄された若き外交官の恋とサスペンスっていうのがちょっと引っかかって、そのまま買わずにいたのでした。

(その当時は知らなかったのですけど)「プラハの春」というのは小説のタイトルではなく(小説のタイトルでもあるんですけど)、1968年のチェコの民主化運動を「プラハの春」ということを知り、プラハの街を見るには避けて通れない歴史であることを感じて、文庫本で読むことにしました。


内容は、書いたように1968年のチェコの民主化運動を舞台にしています。当時のことを思うとメキシコオリンピックあたりだし、大阪万博はその2年後。中学でもチェコスロバキアは習いましたが、社会主義の国というくらいで、こんな事件が起きているとは思いませんでした。当時は、新聞を読んでいないせいでしょう。こうした土壌があったからこそ、ビロード革命につながったのかもしれません。しかし、ドイツの壁の崩壊やソ連の崩壊に至るまでにこんな時代にすでに政治的にも経済的に破たんしかかっている状態だったというのが驚きでもあります。

本書はその時代を背景にした、日本からの若き外交官と東ドイツのDDR反体制活動家カテリーナという叶わぬ恋の物語ということですが、私自身はあまりこの恋愛部分には興味がなくって、全体的には歴史の流れ自体に大変興味を持ちました。作者自身が外交官としてこのプラハの春を見てきている臨場感が何物にも代えがたいことだと感じています。

いつもなら眠くなる本が、次が読むたくてしょうがなく、全然眠れず寝不足になってしまいました。それくらい熱中できた本でした。

プラハの街はこうした軍事介入があっても奇跡的に中性の街並みを保っています。この本に出てくるホテルやレストランやビアホールなどがガイドブックなどでも紹介されているお店だったりして、今も健在であることを思うとなんだか嬉しくなりますね。スメタナの「我が祖国」を聴きながら読むと、ますます感情移入出来るかも(^^)。

ちなみに中欧三部作と言って、このあと「ベルリンの秋」「ウィーンの冬」というのがあるらしいので次の機会の楽しみにしておきます。

ますます、プラハに行ってあの街並みをあついて夜はビアホールという旅をしたくなりました。

★★★★★

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