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悪人(吉田修一)

最近1日1冊読んでいる感じで、5/2以降4冊目となりました。この作家の本は読んだことがなかったのですけど、この作品が「このミスがすごい」で17位に入り、「このミステリーが読みたい」では7位に入り、ちょっと興味がわき読みました。直木賞作家じゃなくって、芥川賞作家というところに純文学というハードルを感じてしまい、なかなか手にしなったのですが、読んでみると、、、これはすごい!!

単純な殺人事件をこれだけ多方面に視点を変えて語らせて、それがドキュメンタリータッチになり緊張感を生んでいます。読み始めたあら本当に止まらなくなり、ついに午前2時まで(いつもは午後11時就寝)読み切ってしまったほどです。

 
ミステリーというのはちょっとジャンルが違うかもしれないので、それぞれ順位が低いかもしれませんが、内容的には大変な力作のように感じました。

表題の悪人とは誰のことだろう?被害者の女か、加害者か、、、それ以外にも普通の人間が悪人になりうる危うさも描かれていると思います。出会い系サイト、携帯、車、売春、悪徳商法、介護など、今の日本のさまざまな問題を凝縮したようなことが小道具のように出てきますが、私は最初に読み始めた時からずっと恐い感じがしていました。その恐さは被害者女性に演出させている「虚構」と「現実」の間にある深い谷のように感じたものです。娘を持つ身としては、、、心配なことが多いものですね。

★★★★★☆

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コメント

吉田修一は、今、一番好きな作家です。
とにかく文章がうまいと思うのです。
きざなことを書いてしまうと
何も起こらないところの空気の流れまで
書ける作家だと思っています。
ぜひ、他の作品も読んでみてください。

投稿: らずむっち | 2008.05.08 20:14

こんにちは、らずむっちさん。

吉田修一さんの作品は初めてでしたので
早速新しく1冊読もうかと思っています。
「7月24日通り」
理由はなくタイトルで決めました。
お薦めがあれば教えてくださいね。

投稿: ごえもん | 2008.05.08 21:38

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