« プレマシーの乗って1か月 | トップページ | 禅ZEN »

告白(湊かなえ)

デビュー作とは思えない筆力、とありましたが、まさにその感じです。この不気味な雰囲気を醸し出す心理描写のすごさが、次を読まないと気が済まないように読者をひきつけたのですが、そこにあるのは、暗闇の中でほくそ笑んでいる登場人物たちという、そんな雰囲気でした。

冒頭に担任がクラスで、愛美(自分の娘)は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです、、と衝撃的な発表するという告白形式は、その後、各章で形と登場人物を変えて、その心理を描いています。しかし、あまりに暗く陰湿なテーマを容赦なく突き付けるので、そこに嫌気を感じる人も多いように思います。救いようのないテーマをオブラートに包むことなく、読者の前に登場人物の告白という形で示すのは、あまりに刺激的すぎるかもしれませんが、ひとつの事件をこのような形で読ませるのは、さすがに面白かったです。それも作者の力量かも。1章だけでも十分に面白いです。

最近の未成年者の親殺しや友達殺しなどの、その異常さは、異常さだけで語られて原因究明が急がれるとマスコミでは取り上げられますが、この本に出てくるそれらは、まさに負の連鎖です。どこかでボタンの掛け違いに気がつけば・・・

しかし、冷静に考えれば、こんな担任はいないでしょうけど(^^;、そこがお話としてのクッションになっているのかも。次作(少女)を読んでみたいものです。

★★★★★

|

« プレマシーの乗って1か月 | トップページ | 禅ZEN »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51937/43694240

この記事へのトラックバック一覧です: 告白(湊かなえ):

» 「告白」職人技が冴え渡る秀作! [soramove]
「告白」★★★★オススメ 湊かなえ著、1470円 「この教室に私の娘を殺した犯人が居ます」 主人公の幼い娘が 学校のプールで死んで居るのが見つかった。 主人公は教壇に立つ最後の日、 その犯人の名前をイニシャルで話すことで、 静かに復讐を開始する。 当事者数人の告白や手紙で ひとつの事件が語られ、 主人公の投げかけた石が 池の中で同心円を描いて 徐々に広がるように、 読み手にも全体像が次第にあきらかになっていく。 うまい語りの小説だ。 これ... [続きを読む]

受信: 2009.01.29 00:07

« プレマシーの乗って1か月 | トップページ | 禅ZEN »