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ゼロ時間へ(アガサ・クリスティー(著), 三川基好(翻訳))

この本の表紙のデザインがいいですね。意味深です(^^)

この作品のタイトルは、通常の推理小説がまず最初に殺人事件が起きて、その後に探偵が登場、そしてその探偵が謎を解決すると言うスタイルなのに対して、本来、殺人が起きると言うのはそれまでの経緯があると言う発想から、殺人事件が起きるゼロ時間への推移から始まると言う物語です。まずは、その構成の素晴らしさに驚きます。江戸川乱歩も折原一もクリスティ本人もベスト10に入れる作品だけのことはあります。

もちろん殺人事件が起きて物語はおしまいと言うことになりませんが、一般的に倒叙物と呼ばれる形式ともまた違っています。殺人事件に至るまでの記述がないといけないようにもなっており、殺人事件が起きてからよりもむしろ殺人件が起きる前に殺人事件解決のためのヒントや経験があった(バトル警部の末娘のエピソードなど)と言う小説の構成に素晴らしい面が多い作品です。

(以下、ネタばれです)

犯人でない人間が犯人であると自白するところも、ちょうど容疑者Xの献身の舞台を見たばかりで、よけいに面白く思えたのかもしません。

1944年の作品でありながら、今の時代とさほど違和感のない恋愛感情など、古さを感じさせない物語はさすがクリスティです。

★★★★★☆

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