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勝ち負けから降りる生き方(二神能基)

これはなかなか有意義な本でした。いろいろ考えさせられるという意味でいい本でした。

確かに、いつの時代からか「勝ち組」「負け組」と言うすみわけができました。昔の高度成長時代にも格差というのはあったのですが、勝ち負けと言う差はなかったのです。それは、それぞれの立ち位置でそれぞれの価値があったということでしょう。ところが今の時代は、全員が同じ価値判断で比較し、それは「勝ち組」「負け組」となり、少なくとも負け組には入りたくないと思うようにもなってきているとのことです。

しかし、正社員が勝ち組かと言うと、その正社員の中にも勝ち組と負け組がいて、その勝ち組の中にさらにまた、勝ち組と負け組がいる・・・と言うように勝負はほんの少数を除いては、ほとんどの人が勝ち続けることはできずに負けるということです。高校野球の頂点は1校しかないのと似ているなあ。

 
私自身も一般的に言われる勝ち組とか負け組と言う切り分けには興味がなく、目の前のチャンスを逃すなと言う意味で、チャンスをつかむことが勝ち組と言うのなら、それもありだろうと思っています。キャリアアップやスキルアップも競争としての道具ではなく、自らの自己実現の道具ならいいんじゃないかと思ったりします。本書でも指摘がありましたが、問題解決能力ではなく、問題を見つける能力などは重要と思いますが、そんな能力を身につけるなどの勉強はあってもいいかと思うのです。

仕事がすべてと言う仕事中心の考え方は確かに、自分の人生を見たときにおかしいものだと気がつくのも事実です。40年ほど働くとして、1週間40時間労働なら、40/168、つまり4分の1しか働く時間(生涯労働時間は10年)はないということです。たとえば、社会人になって死ぬまでに60年あるとしたら、そのうと10年が仕事の時間で、あとは他の時間であるということにはなかなか気がつかないものです(でも、私は、多分、1週間でもう少し仕事をしているし、職場を離れても仕事をしているから、、、と言うもののそれでもせいぜい15年くらいかな)。寝ている時間も多いけどねえ。

現在のワンルームマンションやコンビニなどの便利さの問題点、メールでの会話の危うさ、高度成長時代から引きずる価値観を子供に期待する親などなど、今の時代への警鐘と言う意味ではなかなか面白い視点でした。

★★★★☆

最後の★が☆なのは、勝ち負けを降りた後の生き方にいまひとつ強力なアピールと納得性がなかった点かな。でも、そこは経営者では相容れいない点か?それでも、経営者にこそ読んでもらいたいと感じました。

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コメント

この本読みました。
感想は若者には読んでほしくないです。

自分だけの世界に閉じこもってします恐れが
あるからです。

人の一生とは生涯学習だと考えてる自分に
とっては余り感心する内容ではありません

でした。

投稿: J | 2010.04.19 14:32

こんにちは、Jさん。

そうですね、、若者か・・・
そこまでは意識しなかったなあ。

今の自分の立場を見て、何かと競争してのみ
成り立つ土俵ではなく、自らだけが立てる
場所、、、みたいなものを探して立って
みたいような感じでした。

その一方で、経営者という立場では、
相容れない内容もあって、そのあたりは
ちょっと残念でした。

「生涯学習」・・・いいですね。
いつまでも学ぶことを発見する喜びを
持っていたいものです。

投稿: ごえもん | 2010.04.19 23:07

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