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悪人(テアトルサンク)

Akuninご存知、吉田修一さん原作の映画化です。公開前にモントリオール映画祭で最優秀女優賞に深津絵里さんが選ばれたので少々前評判が上がった感じです。原作も読んでいたのでさっそく見てきました。

原作の雰囲気をうまく表したキャスティングと分かりやすいストーリーでよかったです。読んだ後にも思ったのですが、いったい悪人とは誰のことだろうと、、思うのはこの映画でも同じように感じます。しかし、あの原作を読んだ時のような衝撃は、そこまではちょっと難しかったかな。

悪人というのは、被害者の女か、加害者か、、、原作では、そういった直接の事件に絡む者でなくても、日常生活の中で、誰もが悪人になりうる危うさも描かれていると感じました。

出会い系サイト、携帯、車、売春、悪徳商法、介護など、、、、

現代が抱え込む問題をかなり盛り込んでいますが、そのあたりに悪人が生まれる要素もあると言うことでしょう。この映画では、悪徳商法や介護などの部分はどうしても問題提起というには弱すぎる話でした。映画化の中ではなかなか難しい部分だったように思います。もう少し思い切った削りも必要だったのでしょうか。


自首しようとしたところを止めてしまった光代、、、そこには愛情というモノはあったのでしょうか。どうしようもない寂しさを埋め合わせするための愛であり、それが逃亡という選択をしたのでしょう。そのあたりにも悪人がいたのかもしれません。

しかし、本当に悲劇は、あの理髪店の子供と思えないような石橋佳乃。

あの子を見ているといくつもの顔を持つようで(それぞれが仮面のようでもあり)、改めて、この女性に「虚構」と「現実」の間にある深い谷そのものを描いているようでならなかったです。それは冒頭から不安や怖さと一体となった不安定さになって表れていて、それが寡黙な父親との対比で強調しているシーンがよかったです。

というように、主演の2人のほかの演技がなかなかいいです。主人公2人はあまり知らない人ですし(^^;。岡田将生さんも樹木希林さんも柄本明さんも宮崎美子さんも好演だった感じです。宮崎さんは地方のかわいい奥さん役ってなかなか似合っていますね。年齢差は10歳の夫婦ですね。キャスティングは◎を。

悪徳商法役の松尾スズキさんは、「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」脚本家。そんな脚本家がオカン役の樹木希林さんに法外な値段で怪しい薬を売りつけるとは(笑)。あとこの映画では九州方面が舞台ということで、方言が使われています。それがまた物語をより効果的に演出していました。。

★★★★☆

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