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明日を支配するもの(P.F. ドラッカー(著),上田惇生(翻訳))

ドラッカーの本をたくさん読んでいるわけでもないので、生意気なことは言えない立場だけど、正直、この本はつまらなかった。この本は「明日を支配するもの」として読むのではなく「21世紀のマネジメント革命」という原題のままでよかったのではないか?

明日と言っても書かれたのは1999年。経済を初めあらゆることのグローバル化、先進国・特に日本でも少子化など、経済活動上の重要なターニングポイントについては書かれているが、すでにこの本が書かれて以降、我々は、2001年9・11の同時多発テロもテレビで見てしまったし、2008年9月のリーマンショックも経験してしまったし、2011年3・11の未曾有の大震災も経験してしまいました。

明日とは、どの明日か、私はこの震災で人の心にある価値観が少しずつ変化していくのではないか、その時の明日は1999年ではなく明らかに21世紀のど真ん中の明日であろう。

その証拠に「第2章 経営戦略の前提が変わる」の中で
・行ってはならないこと
 1.誘惑に負けて経営上の判断をおろそかにしてはいけない
 2.自らの事業の定義と経営戦略に合致しない事業に進出してはいけない
・行うべきこと
 1.事業の発展は投資や買収以外の方法で、経済的枠組みの中で実現される
 2.為替変動の対応

どうだろう。これが「経営戦略の前提が変わったこと」で決まった新しいことだろうか?否。これは普遍的なことで、何も21世紀の世界で前提が変わったから行ってはいけないとか、行っていいとか言うものではない、少なくとも地場で一生懸命頑張っている地方の中小企業にとっては。

しかし、心に響く言葉もあります。「変化はコントロールできない。できることは、その先頭に立つことだけである」これも普遍的言葉で何も21世紀に限ったことではないとは思うが、より実感するようになったのは、21世紀に入ってからだろう。

×第1章マネジメントの常識が変わる
×第2章経営戦略の前提が変わる
◎第3章明日を変えるのは誰か
△第4章情報が仕事を変える
△第5章知識労働の生産性が社会を変える
×第6章自らをマネジメントする
△付章日本の官僚制を理解するならば

これが私の章ごとの評価。3章以外ほとんどつまらない??(笑)

大切なことは、どんな環境でも、地方の小さな会社のトップは、敏感に市場を読み、機敏に動き、知恵を絞って、日々頑張っているからこそ、未知の明日を恐がらずに挑戦できるのであろう。予想も予測で対応しなくても、普遍的な信念こそが、明日を支配するものとして残るのだろう。

そのために、体系的廃棄という発想は重要である。
商品も資材ももったいと取っておくことは、どんどんコスト増につながることに注目したい。米五では1000円で購入したものを、今売れば1200円で売っても200円の粗利が出るが、1年間保管した場合(1平米を保管場所として必要とした場合)目に見えない保管コストは年間で2400円になる。1年後に売るなら3400円で売っても1円の利益にもならない。1カ月後なら1200円でも売っても1円の利益にもならない。

目に見えない支出コストを意識することが21世紀に変化の時代にスリム化した企業を作る上で重要であると思う。さらに、スリム化した後は、人口6000万になった日本での商売のイメージを想像できるかどうか、経営者の手腕となるのかなと思う。地元の利権と権力争いしかできない政治の現状はまるで江戸時代の鎖国の状況と同じ。国際社会から日本がどんどん地盤沈下している。その国でどのような商売をするのか、それとも開国するのか(笑)

印刷技術、蒸気の技術、IT革命など、ツールの革命は商売のあり方を内部から変えてくる要因であると思うが、明治維新、敗戦からの復興、阪神大震災から同時多発テロ、未曾有の津波を伴う大震災は、人々の心の価値観を変える出来事であり、それらは大なり小なり外部から経営に影響を与える要因であると思う。

★★★

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