« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

2011年5月の記事

イギリス近代史講義(川北稔)

なかなか堅苦しい題名の本ですが、なかなか面白い内容でした。帯にもあるように「大英帝国の興亡から現代日本を考える」と言うことで、日本はイギリスの追体験してきたようなところがあるのではないかという発想は面白いものがあります。しかし、そこから何を学ぶかと言うとこれがなかなか難しい。

イギリスがどうして「世界で最初の工業国家」となったのか、そしてその後20世紀後半に到来した「イギリスの衰退」とを同時に考察することの意味、さらには、そもそも「成長」とか「衰退」と言う意味は何を持って言うのかってことまで考えると面白くなってきます。

続きを読む "イギリス近代史講義(川北稔) "

| | コメント (0) | トラックバック (0)

岳-ガク-(シネマ1)

Gakuいい映画だったと評判だったので、そんな評判なら行ってみようかと思った次第。あまり芸能人のことを知らないので、この映画も前評判も知らずに主演も知らないまま。山を愛してやまない主役の島崎三歩の俳優さんが、名前を聞いたことのある小栗旬とタイトルロールで知った次第(^^;

で、感想ですが、いい映画でした。

圧倒的な山のスケールと美しさ、それは、山の厳しさがあるからこそ際立っているものなんだと言うのを教えてくれます。主人公・島崎三歩の明るさも(人の死に対してもあまりに平然としている)その後ろに乗り越えてきた厳しさがあるからのもの。


続きを読む "岳-ガク-(シネマ1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

交換殺人には向かない夜 (東川篤哉)

先日、東川篤哉さんの作品を読んだので別シリーズなら読んでみたいかなと思い、烏賊川市シリーズの中から評判の高いと思われる作品を選んでみました。

タイトルにある通り、交換殺人がトリック(あまりトリックらしくないけど)になっている作品です。しかし、そこはそこ、読者が思うような交換殺人ではないことが最後に分かるのですが、、、

全体的にギャグキャラが多いのでライトな感じの推理小説ですが、テンポもよく、登場する女性キャラが際立っているのが魅力的ですし、二重トリックも少々にくい感じで決まっていますし、この作者の作品ではお勧めの一冊ですね。

★★★★★

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ブラックスワン(テアトル3)

Bs「白鳥の湖」チャイコフスキーの3大バレエのひとつで、曲もよく知っているし名場面なら何度か映像でも見ましたが、残念ながらバレエの舞台を生で見たことはありません。

ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナは、元ダンサーで厳格な母親の寵愛のもと、人生のすべてをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。

優等生で臆病なニナは、純真な白鳥の演技には向いたが、邪悪で官能的なブラックスワン・黒鳥を演じることは高いハードルとなっていた(白鳥の湖では、主役のプリマが白鳥と黒鳥の両方を演じることが慣例となっているようだ)。


続きを読む "ブラックスワン(テアトル3)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ファントム・ピークス(北林一光)

全く前知識がないまま読んだ本ですが、一気に読んでしまうような、ぐいぐい引き込まれるスピード感あふれる作品でした。

前知識がないのに読むきっかけとなったのは、帯に「宮部みゆき氏絶賛」とあったのと、「山には、一体何が潜んでいるのか!?稀有の才能が遺した、超一級のパニック・エンタテイメント」と説明があったためです。

稀有の才能が遺した??
そう、この作者は、もともと映画宣伝会社のプロデューサーを経て執筆活動を始め、2005年にこの作品が松本清張賞の最終候補になり、その翌年に癌で若くして亡くなっているのです。この本も友人の手でなくなった翌年に出版にこぎつけたとの事です。

続きを読む "ファントム・ピークス(北林一光) "

| | コメント (0) | トラックバック (0)

企業文化(エド・H.シャイン(著),金井寿宏(翻訳),尾川丈一(翻訳),片山佳代子(翻訳))

最近、面白そうな映画がないので、GW中は1本も見ないまま終わってしまった。少し体力増進のために行きたかったのに。その代わりと言っては何ですが、県立美術館に行って来た。これが近年まれにみるなかなか見ごたえある充実した展示で、本来なら2時間くらいかけたいところ(でも、1時間でギブアップ(笑))。・・と話がずれましたが、カルチャーです。カルチャーはカルチャーでも「Corporate Culture」です。

大震災と個人的な出来事から、いろいろ思うこともあり、商売と言う世界を通じて、実はこうした企業文化を大切にしようと言う価値観が生まれないだろうか、そんなことを思ったので手にした一冊。200ページ足らずの薄い本だけど、大学で使う本みたいな雰囲気の本で、価格も2940円とかなり高い(^^;ちなみに薄さの割には内容は濃い。

続きを読む "企業文化(エド・H.シャイン(著),金井寿宏(翻訳),尾川丈一(翻訳),片山佳代子(翻訳))"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プリンセス・トヨトミ(万城目学)

この本も気になっていた本。今度映画化されると聞いて先に原作を読んでおこうかと思った次第。

映画が先か原作が先がと悩んだら原作かな。今回は特に映画化において主役の男女が入れ替わっています。副長の松平、中学生と見間違うお調子者の鳥居、180cmはある長身女性調査官、旭・ゲーンズブールの3人ですが、鳥居は綾瀬はるかが演じるみたいだし、旭・ゲーンズブールは男性になります。これで話が変わってくるので映画も楽しみになりました。

続きを読む "プリンセス・トヨトミ(万城目学)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

謎解きはディナーのあとで(東川篤哉)

前から少々気になっていた作品。評判が芳しくないのに(って言うのは失礼か?(笑))どうして売れるのか、ちょっと気になって読んでみた。

読んでみて、なるほど、このキャラだったのかと妙に納得。

風祭モーターズの創業者の御曹司で、ジャガーを乗りこなす警部と、その部下・宝生麗子刑事。この宝生刑事は表向きは普通の「お嬢さん」刑事で知られていないが、実は大財閥・宝生グループのお嬢様。この2人が殺人事件に出会って、迷宮入りになりそうな事件を、宝生麗子の執事兼運転手の影山が謎を解決する、というパターン。

続きを読む "謎解きはディナーのあとで(東川篤哉)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件(楠木建)

1年前に発売されたというのに、今まで読んでいなかったことを後悔した1冊。でも、この本、好き嫌いが分かれそうな作品。そもそもビジネス書を作品と言っていいのか?(笑)

500ページのハードカバーは、寝ながら読むには相当の腕力が必要となります。とにかく長い。「まえがき」だけでも13ページびっしり書かれている。この長さがこの本の特徴なのだからしょうがない。筆者が「短いストーリーなどない」というのだからしょうがない(笑)

面白い本には違いなかったけど、やっぱり読み続けると冗長な印象もあるかな。このあたりをどう見るか賛否両論がわかれるところでしょう。タイトル通り、「競争戦略には面白いストリーがなければならない」が結論だから、何も500ページにわたって語らなくてもいいだろうという意見もあるだろう。しかし、この本自体がストーリーだから、それを楽しむという発想もある。

その過程でいくつかのエピソードがあるのが面白いと思うか、それとも時間の無駄で結論だけでいいと思うのか、本に対する姿勢で変わる作品でしょう。

続きを読む "ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件(楠木建)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

おしまいのデート(瀬尾まいこ)

瀬尾さんの独特の世界観にいつも癒されます。困った時には瀬尾さんの作品を読めばいいって感じで、少々遅くなったけど最新作を読みました。

瀬尾さんの小説には、いつも変わった人が出てきます。普通じゃないのですが、どの人もなんか達観していて、基本はいい人なんです。子供は妙にませていたりします。しかし、みんな優しさを持っています。

今回の作品は5つのデートの話。「おしまいの」とついているとおり、最後のデートです。でも、デートと言っても恋人同士ではない話ばかり。どれもさらりと読めてほろりと来る作品ばかりでした。

続きを読む "おしまいのデート(瀬尾まいこ)"

| | コメント (2) | トラックバック (1)

ルームメイト(今邑彩)

帯に「ミステリー好きはぜひ! ミエミエな展開だなあと思っていたら、意外な方向に話は進んで、いやあ まんまと騙されました。」と書かれているので買った本。この帯は販売には貢献していると思うが、逆に本作の魅力を大きく損なってしまっている。この帯のコメントのお陰で、本の物語に入っていけないのだ、どうしても傍観者的に構えてしまう。

ミステリーには古典的作品によく見られるように探偵が読者に挑戦という楽しみ方もあるでしょう。でも、私の場合は、柔道の練習で気持ちよく技をかけられるように、探偵と競争なんかしたくなくて、見事に騙されたい派なんですね。という意味では、この帯は邪魔になったかも(でも、なければ買っていない(笑))

続きを読む "ルームメイト(今邑彩)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

悪い奴ほどよく眠る [DVD](黒澤明)

「何を今さら」第3弾でしょうか。実はこの作品は初めて見ました。昭和35年の作品ですが、この映画の中にある悪の構図というのが、今の時代にもそのまま通ずる内容であるのです。なんだ、昔から悪い奴は変わらないなあって印象です。

それなのに、最近、こうした映画はなくなりましたね。贈収賄のようなテーマを取り上げる映画はあまり記憶にない。映画にするほどのこともない当たり前のことのようになったのかな。

巨悪は姿を見せず、勧善懲悪にならない結末など、なかなか苦い味付けの映画ですが、演出や脚本がいいんだろうなあ、本当にぐいぐい引き込まれる展開でした。また、白黒映画がなかなか雰囲気が出る感じの構成でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »