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イギリス近代史講義(川北稔)

なかなか堅苦しい題名の本ですが、なかなか面白い内容でした。帯にもあるように「大英帝国の興亡から現代日本を考える」と言うことで、日本はイギリスの追体験してきたようなところがあるのではないかという発想は面白いものがあります。しかし、そこから何を学ぶかと言うとこれがなかなか難しい。

イギリスがどうして「世界で最初の工業国家」となったのか、そしてその後20世紀後半に到来した「イギリスの衰退」とを同時に考察することの意味、さらには、そもそも「成長」とか「衰退」と言う意味は何を持って言うのかってことまで考えると面白くなってきます。

日本も高度成長時代から、失われた10年(もっと失われている感じですが(笑))このこと自体を考えると、高度成長時代ではない今の日本での生活がすごく不幸かと言うと、そうでもない感じです。それでも今の日本は衰退しているか考えると面白いものです。

高度成長時代に比べて成長率と言う点では確かに劣っており、その成長率の低さが将来に対する不安になっているのでしょう。国際競争力と言う点では、そもそも高度成長時代には経済大国2位なんて地位にはなかったはずです。今は3位になったかもしれないけど、少なくとも今の時代の方が国際的な地位も上がっているはずなのに、成長率の低さが大きな影を落とします。

このあたりに「「成長パラノイア」があるのではないかと言うことです。「パラノイア」って意味が分からなかったですが、「成長偏執病」とでも言いましょうか。要は成長続けることが至上命令のような(企業にもありますよね(^^;))

日本とイギリスとは必ずしも同じ土俵では比較が出来ない(生活史と言う面でスポットをあてると価値観も違うでしょうし)とは思いますが、いずれにしても歴史をこうした視点で切り込んで考えると、いろいろあるもんだなあって、改めて大学での歴史の勉強も悪くないかもって思ったりします(^^)。

★★★★★○

そろそろ遅れていた6月課題本に取り掛からないと

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