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どう伝わったら、買いたくなるか(藤田康人)

かつて、「人、モノ、金」と言われた時代があった。そこに「情報」が加わるようになったのは1980年ころのことだろうか。NECでもC&Cと言って、「コンピュータとコミュニケーション」と言っていた。思えばずいぶん先見の明があったような(笑)。それが、情報はどんどん増えていきました。

かつて、モノ不足の昭和の高度成長期は、モノが欲しかったために貧しくても明日は幸せな時代が来ると信じて突き進んでいた時代。情報もかつては不足していて情報を得ること自体が重要だった。

それが、情報はどんどん増えていく。平成12年くらいまでは情報流通量と情報消費量は拮抗していたが、今や選択可能情報量は10年間で530倍になってしまった。しかし、吸収できる情報量はそれほど飛躍的には伸びない。

前振りが長くなったけど、かつて情報不足の時には、マスメディアが重要だった。4番のホームラン打者のみの野球のようなもので、企業から情報を提供すれば、それを顧客は欲しがったということだろう。しかし、今や企業から情報を伝えてもほとんど伝わらないという時代になりつつある。何しろ個人で処理できる以上の何百倍の情報があふれているのだから。

企業側は、単に伝えるという発想を捨てて、伝えるからどう伝わるかを意識しなければならないという時代になったということだろう。まさに、ソーシャルメディアの時代ということか。しかし、マスメディアの否定ではなく、TwitterやFacebookなど特定のツールのみに依存するのでもなく、あらゆるツールを有効に使う計画的な情報提供が必要と言うことでしょう。野球のスタイルでいうなら全員野球と言うことなんだろうな。

そんな導入部分の内容はなかなか有意義だった。しかし、この本の事例を見るとどうも違和感がないわけでもない。なぜだろう。

ソーシャルメディアと言うフィールドで恣意的に何かを動かそうというアプローチそのものが生理的な嫌悪感を持つからかもしれない。顧客も企業側も同じフィールドに立ったと言う新しい次元において、かつてのプロモーション(口コミを誘導するようなやり方も含めて)と言う企業側からのアプローチがどうもなじまない。同じ土俵に立った以上、企業側は顧客をコントロールすることはできないと認識すべきではないか。

お客様を動かすというよりも、自らは自然体のままでお客様に選んでもらえるような経営でありプロモーションであるというのが新しいフィールドでの重要事項のような気がしてきた。

★★★★

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