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シャイロックの子供たち(池井戸潤)

題名のシャイロックの子供たち、シャイロックと言うのはシェイクスピアのベニスの商人に出てくる強欲なユダヤ人の金貸しのこと。その子供たちと言うのは、この小説が銀行を舞台にした連作短編の群像劇のようになっていることから、登場人物を金貸しの子供たちと言ったのでしょう。

それぞれの短編にそれぞれのテーマがあり、銀行内のさまざまな人物が登場するということで、企業小説の短編集かと思いきや、そのうち事件が起き、全体でみるとミステリーの仕上がりとなっています。なかなか考えた構成となっています。その分全体を1つの作品としてみると少々ミステリーとしては物足りないような。


銀行員がシャイロックの子供と言うのならば悪役ぽいですね(笑)。でも、シャイロックと言うのはそんなに悪役だろうか?友人のためにアントーニオがシャイロックから金を借りる時に返せない場合は、肉1ポンドを与えると契約しておきながら、返せなくなると肉のみで血の1滴も流してはならないと、逆に肉を切るのをあきらめざるを得ないような状況を作り、さらに殺人を行おうとした罪で財産没収とは、ちょっとユダヤ人いじめじゃないかって思えてきます。

厳しいノルマはあるし、金を貸したくても危ないところには貸せないし、厳しい状況である銀行員の立場が重なって見えないわけでもないけど(^^)

★★★★

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