« シャイロックの子供たち(池井戸潤) | トップページ | アンフェアthe answer(テアトル1) »

TOKYO BLACKOUT(福田和代)

発売されたときから気になっていて買って読もうかなと思っていたけど、当時はハードカバーだったし文庫本になるのを待っていました。東京を襲う未曽有の大停電!発売された時にはその設定に興味がありましたが、3.11を経て読んでみると驚くほどの話でさすがに取材力が素晴らしいというところだろうか。
東北地方を襲った地震の影響で東北からの電力補充ができないところに、送電線のある鉄塔を爆破するテロで東京の電力はひっ迫した状態になってしまいます。輪番停電(震災後本当にあったのですから小説の話と笑っていられない)で対応しようとしたけど、その対応システムに問題があり、東京全体(東京電力管轄の関東一円)が停電に陥るという最悪のケースが発生。

500ページ近くの大作ですが一気に読ませてくれるあたりはさすがですね。でも、東京を停電させる犯人に対して十分な描写がない(と言うか意識して書いていないのかと思えるほど)ために、「この理由でこの犯罪」と言う疑問は激しくありすぎるほど。ありえないことではないにしても、終盤に刑事が犯人に対して「そのままにしてやりたい」と抱いた感情を読者が感じられないのはすごく残念(映像的には感じることができたのですが)。それすらもあまりにギャップがあると、その理解できない深層心理に想像が行くのですが。

多くの魅力的な登場人物がいますが、いずれも人物の際立たせがないのは少し残念でもありますが、そのあたりも、いつも当たり前にある日常を支える普通の人たちって言うのが、この作品のテーマにもあるからかもしれないなあ。でも、緊迫した内容で楽しめました。

★★★★★☆

|

« シャイロックの子供たち(池井戸潤) | トップページ | アンフェアthe answer(テアトル1) »

コメント

停電なんて懲り懲りだけどね~。

きょうも首都圏はヒドイ停電でしたが・・・。TOKYO BLACKOUTも、新作のヒポクラテスのため息も、
世相を反映してます。
そこが魅力の一端なんでしょうね。

新作の『ヒポクラテスのため息』も読みましたけど、面白いですよ。
こりゃ話題になるわ、というくらいです。
福田さんについての解説サイトまであるんですね。
http://www.birthday-energy.co.jp/

今後も人気出る、なんて記事があると、もっと注目しちゃいます~。

投稿: つまつま | 2011.09.22 00:23

つまつまさん、こんにちは。

私は「オーディン」「ヴィズ・ゼロ」に続いて3作目です。他も読んでみたいですね。

投稿: ごえもん | 2011.09.22 11:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51937/52791681

この記事へのトラックバック一覧です: TOKYO BLACKOUT(福田和代):

« シャイロックの子供たち(池井戸潤) | トップページ | アンフェアthe answer(テアトル1) »