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ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる(P・F・ドラッカー(著),上田惇生(翻訳))


100年安心と言っていたにもかかわらず、数年で破たんし始めた年金制度。この状況が、将来を見据えることの難しさを証明しているのか、それとも政治家の無能を証明しているのかわからないけど、いずれにしても、1つのことを決めてそれで安心なんて世界ではなくなったということだけは確かだ。常に変わり続けることが安定であるということだろう。そんなことをこの本を読みながら感じた。

よくある光景ですけど質疑応答時間に若い人が「将来はどのようになるのでしょうか」と質問する姿があります。もしかしてドラッカーのように92歳になって書いた本に対して、将来の姿を見たいとか知りたいとかいう若者がいたらそれは大変将来を憂うべきことではないでしょうか?92歳のドラッカーが何を言おうが私はこういう社会にしてみせる!って気概が若者からなくなっているのが最大の問題だろうか(笑)。

何も若い人だけの問題だけではない。社会全体の問題だろう。同じ方向性で進むことが予想されない社会に、先が見えない不安を感じるのは高度成長期を横臥した人たちだけでいいのではないだろうか。変わることが当たり前で、変わることに喜びを感じる人種が必要な時代と言っていいのかもしれないなあ。

本書では「情報を持つものが力を持つ。こうして、いまや最終消費者であろうと企業であろうと、買い手に主導権が移行した。要するに、供給者たるメーカーは、売り手であることをやめ、消費者のための買い手にならなければならなくなったということである。」と書かれていた。消費者のための買い手とは、お客様の要望に聞いて取りそろえると言う意味ではないのだろうと思う。お客様へ提案する情報を持つということにとらえたいところです。この方向性はますます重要になっています。そのあたりを10年前に言われてもピンとこなかったかもしれないけど。

日本について「劇的な転換が得意である」と書かれていました。しかし、それは明治維新であったり戦後の話であろうか?とても劇的な転換が得意とは私が感じられないのだけど。特に今の時代は、劇的な転換が内部から発生的に行えるような雰囲気になっていない感じです。外圧に押されて動くしかないようだけど。事実、日本について書かれていた章では、先送りすることで問題解決をしている事例まで上げている。この農業政策と流通政策の話は視点の面白さを感じます。

生産性と言う意味では農業だけではない。日本は、製造業雇用が全就業者人口の4分の1という先進国では最高の水準にある。日本が競争力を維持していくためには、生産性をあげて雇用を減らさないと競争力が維持できないのだろうけど、それは雇用の安定という「社会」的な側面の問題を引き起こします。雇用の安定を社会の基盤としてきた国が世界的な流れにいかに対処するか、切実な問題だけど、ここにきて原発事故で、少し変わりつつもある感じです。「人こそビジネスの源泉」と言う章もあるくらいだが、本当に生産性だけを伸ばせばいいのか、人は置き去りにされていいのか?そのあたりはさらに10年後のネクストソサエティが必要かもしれないなあ。

なんだか支離滅裂に書いたけど、「基本と原則を大切に変わり続けて、人を大切にする世の中を日本は目指すべきだよね」って思った。

★★★★

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