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葬式は、要らない(島田裕巳)

出張中の新幹線の中で読んだ一冊。これは、例によって刺激的な新書版タイトルで、本の内容は「葬式はいらない」とは筆者は言っていません。しかし、「日本人の葬儀費用は平均231万円。これはイギリスの12万円、韓国の37万円と比較して格段に高い。浪費の国アメリカでさえ44万円だ。」なんてキャッチコピーがあれば、思わずタイトルを信じたくなりますが・・・(笑)

私が思うに、正確には「こんな葬式はいらない」ってことでしょう。

結婚式と違って、葬式は急にやってきます。準備もままらないまま流されてしまいます。さらに結婚式と違って当事者がいない(^^;。この本にあるように戒名(法名)の費用も定価がないのに世間体相場って言うのがあるからややこしくなります(笑)。なぜ戒名しないといけないのか、そもそも戒名は必要なのか、そのあたりもよくわかる本で有意義でした。


筆者は宗教学者らしく、「古代から現代に至る葬儀様式を鑑みて日本人の死生観の変遷をたどりつつ、いま激しく変わる最新事情から、葬式無用の効用までを考察」しています。ここにこの本の価値があるように思います。この本では、なんとなく慣習的にとらえがちなさまざまな葬式の要素を理解せずに葬式をあげている私たちに、それらをきちんと理解したうえで、意義を意識して葬式をあげてほしいと願っているのでしょう。

今年亡くなった叔父さんは葬儀会場にチャイコフスキーの悲愴を流していました。11年前に亡くなった父は、相続の遺言はなかったけど(笑)、葬式でベートーヴェンの7番を流してほしいということと、焼香順は呼ばないって指示はありました。これらのスタイルはそれぞれ重要なことなのでしょう。質素な葬式にしたいと言うのは誰もが思うことかもしれないけど、周りがそうさせないこともあるだろうし、檀家とそうじゃない場合は違うことも理解できて、、、私は密葬できないことも理解しました(笑)

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