鉄の骨(池井戸潤)
中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾く―技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に「談合」の壁が。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ。
開口一番、面白い!!(^^)
談合についてニュースで知るほどの知識しかないものにとってはなかなかそこに渦巻く思惑を考えさせられて面白かったのです。これが業界の方が読むとまた違った印象なのかもしれないなあ。
書きたいことがいっぱいあってうまく書けないほど面白く、最後の入札シーンまで一気読みです。650ページの本をその長さを感じさせない作品でした。息詰まるような展開は、私の思った通りの結末だったけど、それがいい(笑)。その爽快感がこの作者のいいところなんだ。でも、談合の行方も恋の行方も結論があるわけではない。そんな余韻がまたいい感じです。
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