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2011年11月の記事

鉄の骨(池井戸潤)


中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾く―技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に「談合」の壁が。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ。

開口一番、面白い!!(^^)
談合についてニュースで知るほどの知識しかないものにとってはなかなかそこに渦巻く思惑を考えさせられて面白かったのです。これが業界の方が読むとまた違った印象なのかもしれないなあ。

書きたいことがいっぱいあってうまく書けないほど面白く、最後の入札シーンまで一気読みです。650ページの本をその長さを感じさせない作品でした。息詰まるような展開は、私の思った通りの結末だったけど、それがいい(笑)。その爽快感がこの作者のいいところなんだ。でも、談合の行方も恋の行方も結論があるわけではない。そんな余韻がまたいい感じです。

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人材の複雑方程式(守島基博)

これはいい本であった。さまざまな人事の問題や人材マネージメントの課題を改めて考えさせてくれる内容に感心しました。

リーダーシップ一辺倒の教育ではなくフォロワーの育成の必要性や、ワークライフバランスの捉え方、さらには評価システムの問題点など、、、そのような課題や問題点は、それぞれ時代とともに経営環境も変わり、それを抜きにして人事システムだけを捉えていたのでは本質的な問題点が見えないのかもしれない。

日本企業が本来の価値感や倫理観を活かして、どう変革するのか。それは、弱みの克服ではなく、強みを活かしてどう変わるかと言う発想が必要で、そのためにどのような発想が必要なのか、考える材料をたくさん見つけることができるでしょう。

★★★★★☆

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ヤクザの実戦心理術(向谷匡史)


なんか笑えると言ったら失礼かな。なかなか面白かったのです。ヤクザと言えばドラマか映画の中だけで日ごろお付き合いなどないですけど(笑)、以前、同和関係の勧誘電話でぴっしり断ったら(でも心臓ドキドキ)「首を洗って待っていろ」って啖呵を切られて、思わずその日はお風呂で丹念に首を洗いました(^^;。そんなわずかな経験でも、そういえばそうかなって思わせるテクニックの解釈が面白い。怒鳴る奴はまだまだ半人前。論理を巧みにすり替えたり、正当性を切り替えたりの技術は面白い。

恐いと思われてナンボの世界ですから、恐いと思われなくなったら意味がない。そのあたりヤクザの方にもブランドがあるのだろうかと思ったりもしました。

しかし、まあ、ここに書かれているような内容が、私たち凡人が実践に使える心理学かどうかは微妙でしょう。とは言うものの、こうした内容はまじめにやっていると人ほど勉強した方がいいような印象もしますね。

★★★

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「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (恩田 陸)


これは、かつて「地球の歩き方のロンドンのガイドブック風」のカバーで出ていた本が文庫本化されたものです。作者がイギリス・アイルランドに行った時の話ですが、とにかく飛行機嫌いと言うことでその恐怖が大きく取り上げられているエッセイです。紀行文じゃないと宣言していますので、確かに、イギリス・アイルランドに行った場所で感じたことを書いたエッセイと言うのが的確でしょう。

しかし、恩田さんの作品は好きだけど、エッセイはどうも合わないなあ。面白くない訳じゃないし、書かれていることも好きなんだけど、なんだか合わない感じです。

他に「キリンビール」「サッポロビール」「オリオンビール」の工場見学のエッセイも加わっています。それだけビールが好きなんですね。ビールを飲むために嫌いな飛行機に乗るという構図です(笑)←人のこと笑えない(^^;

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ステキな金縛り(テアトル1)

Kanasibari
「ザ・マジックアワー」以来、3年ぶりの三谷作品と言うことらしい。今回は深津絵里演じる三流弁護士が法廷で活躍する話ですが、例によって三谷幸喜の映画の常連組が多数出演しています。映画自体は、三谷風で笑いあり涙ありの作品ですが、今回は主役級がみんなかわいいですね。

深津絵里さんも「悪人」とは違ってかわいいし、阿部さんも中井さんもかわいい雰囲気が出ています。西田敏行さんも当然ですが裁判長の小林隆にいたるまでみんなかわいさ爆発のような映画です。

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タワーリング(福田和代)

「TOKYO BLACKOUT」を読んで、この本があることを知り、東京に行ったら読もうと出張に持参したのはいいけど、小松空港までのバスと待ち時間と飛行機内で一気読みで、東京に着いたら読み終えていた(^^;

六本木ヒルズを思わせる超高層ビル「ウインドシア六本木」がビルジャックされる。地上50階、地下5階、ビルと言うより一つの街のような巨大ビルをどのようにジャックするのか?こうした本の興味は、犯人たちの意図はどのにあるのか、どうやって逃げるのか、そこに集中しますが、なかなか予想外に展開で面白かったです。逃げ道の伏線はあったけど、そんな命がけの方法とは思っていなかったです。一方の犯人たちの意図はうすうすわかっているのですが、最後のどんでん返しには想定外のびっくり。「その手で来ましたか」って感じです。

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ジェノサイド(高野 和明)

長かった、、、やっと読み終えたという気持ちでいっぱいで感想など何も出てこない感じです(^^;。スケールの大きなエンターテイメントと言うのが、この本に寄せられる多くの感想であり、その点の評価が高いのだとも思います。しかし、これはエンターテイメントって言っていいのだろうかって少々疑問も。表題の通り「大虐殺(ジェノサイド)」のシーンでも少々辛い面もあったりして、本当に楽しむエンターテイメントとしては読めなかったなあ。

とにかく、スケールの大きなSF冒険小説って方がしっくりいく作品でした。しかも随所に映画を見ているようシーンが満載でその部分は楽しめるのですけど、どうもこの本と波長が合わないのか、読むスピードはかなり遅くなり(しかも590ページの大作)、かなりの時間を割きました。

コンゴの密林地帯に新種の生き物が現れたという極秘情報を発端に、日本の薬学部の大学院生と、米国首都の政治家と、コンゴの密林に潜入した傭兵の話が同時進行で進みます。新種の生き物は人間にようでもあるけど、人間よりもはるかに知能が優れた生き物で、その生き物から見れば人間は下等動物でしかありえないのです。過去の歴史から、より高度な知能を持つ種が下等な種を滅ぼすという危機感から、米国政府は合否にこの新種の生き物を抹殺しようとしますが・・・・

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コンテイジョン(テアトル5)

66謎のウイルス感染が発生!その新型ウイルスは、驚異的な速度で全世界に広がっていく。
米国疾病対策センター(CDC)は危険を承知で感染地区にドクターを送り込み、世界保健機関(WHO)はウイルスの起源を突き止めようとする。だが、ある過激なジャーナリストが、政府は事態の真相とワクチンを隠しているとブログで主張し、人々の恐怖を煽る。その恐怖はウイルスより急速に感染し、人々はパニックに陥り、社会は崩壊していく。

と言う話だけど、少し前に日本の映画で「感染列島」と言う映画があったので、何か新しい内容を期待したのですが、なんだか新鮮味がなかった感じです。筋書きの割にはドラマ性の盛り上がりがなく、なんとなく薄っぺら感じの仕上がりになっていました。ただ(「感染列島」を見た時もそうだったけど)、咳に敏感になります(笑)。取っ手などを握るのも意識しちゃおう(笑)。などなど、日本人はきれい好きですからねえ。


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アレクサンドリア

Alexandria4世紀、エジプト、アレクサンドリア。明晰な頭脳を持った女性天文学者ヒュパティア(実在の人物)の誇り高い一生を描いた作品です。それにしても当時のアレクサンドリアにこのような女性天文学者がいたというのがすごいです。しかし、キリスト教の進出により、科学的な学問は異端とみなされ彼女は追い詰められていくという話です。

映画自体はなかなか見ごたえがあり2時間と言う時間を忘れるくらいの展開でした。特にヒュパティアが地球が動いているかもしれないと考え、さらに太陽の周りを楕円形で回るという発見に至るまでの話も面白いものでした。この時代にそんなことを考えたのかどうかわかりませんが、「ガリレオより前にいたんだ」と物語としても面白いものです。

それにしても宗教って言うのは怖いものですね。今の時代だって宗教と言うのは争いのもととなるけど、この時代の異端排除はかなりのものです。この映画はスペイン映画ですが、キリスト教が黒の軍団として描かれているのでかなりの悪役に見えてしまいます。どうしても思い入れはヒロインに向かっちゃう(^^)

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三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船【3D吹替】

Sanzyusi
この映画の感想の前に感動しちゃったのが予告編(^^)。なんと!あのスターウォーズのエピソード1が3Dになって来年の3月公開とか。すごい!スターウォーズが3Dで観れるだなんて・・・楽しみです。長生きってしてみるものだなあ(笑)

さて、この映画、個人的には三銃士的な時代背景のにおいが全然しないけど(ちゃんと衣装や映像はその時代なんだけど、なんて言うか、、映像からくるにおい的なものはないんだな)、ゾンビが出ないバイオハザード的で(さんざん、バイオハザード監督作品って宣伝していたからね)、でも、それはそれでもありって感じの映画です。もちろんデュマの大作は読んでいないし(でも児童文学なんかで目にしたことがったかも)、私の唯一の明確な記憶の三銃士は、最近の三谷幸喜のNHK人形劇。あれで、エジンバラ公とかアンヌ王女の首飾りの話とかを知った訳で、それでも、それを知っているとこの映画のスピードにどうにかついて行けそうです。

映画の展開は早いので(2時間弱に納めるんだからね)ついて行くのは大変かもしれないけど、そもそも、この話は大方が知っているという前提で作られているのかもしれないなあ。リシュリュー枢機候とアンヌ王妃の表面上は取り繕った確執やそれをうまく立ち回ってアンヌ王妃を助けるコンスタンスなどの微妙な人間関係のヒヤヒヤ感は希薄でしたね。

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タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密(3D吹替え)

Tantan

原作は、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化を熱望したベルギーの作家エルジェによる世界的人気コミックです(と言っても「タンタン」を「タイタン」と思っていた私は全く知らなかった)。「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」以来となる監督作品でスピルバークファンにとっては本当に待望の作品。しかも、自身初の3Dアニメ。

タイトルどおり、見どころ満載の作品で、まさに冒険活劇!スピルバークにはどこか子供のキラキラしたような心があるのでしょう。その気持ちがそのまま映像になっている感じです。個人的にはタイトルバックのコミカルな映像が好きですね。そこからアニメと言ってもリアルな映像に移行していき話が始まります。

タイトルバックのシルエット描写はヒッチコックのミステリー風でもあり、そこにコミカルな演出も感じられ、独特の雰囲気が好きですが、一変して、本編のモロッコでの活劇はまさにインディジョーンズ風のめまぐるくしい展開です。物語自体はそれほどでもないと言う感じだったので、余計に映画の序盤が気になり、エンドロールにも期待したくらいでした。

しかし、こうした映画は小難しいことを考えずに久しぶりにスピルバーグらしい冒険活劇を体感するのが正しい味方なんでしょう。それにしても映像がすごいなあ。これをアニメと言っていいのかどうかも分からなくなった。

★★★★★

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