« 人材の複雑方程式(守島基博) | トップページ | おやすみラフマニノフ(中山七里) »

鉄の骨(池井戸潤)


中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾く―技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に「談合」の壁が。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ。

開口一番、面白い!!(^^)
談合についてニュースで知るほどの知識しかないものにとってはなかなかそこに渦巻く思惑を考えさせられて面白かったのです。これが業界の方が読むとまた違った印象なのかもしれないなあ。

書きたいことがいっぱいあってうまく書けないほど面白く、最後の入札シーンまで一気読みです。650ページの本をその長さを感じさせない作品でした。息詰まるような展開は、私の思った通りの結末だったけど、それがいい(笑)。その爽快感がこの作者のいいところなんだ。でも、談合の行方も恋の行方も結論があるわけではない。そんな余韻がまたいい感じです。

談合の天皇と呼ばれる人物が政治家から談合の調整を頼まれるシーンで、その人物は「確かに伝統と言うものはいいものです。しかし、いま利休が生きていたら、この世の中に受け入れられるように、もっと茶の湯を変えていこうとしたでしょう。伝統を大切にするということと、伝統に縛られるのはまた別の問題です。過去に拘って変化を拒絶していては旧弊ばかりが目につくようになる。それでは時代に取り残されてしまう。」と言っていた。
しかし、言うは易く行うは難しか?それとも時代に取り残されることを予感したものか。どうあればよかったのか、、、結局、若い力(感性)が重要だな。

★★★★★☆

|

« 人材の複雑方程式(守島基博) | トップページ | おやすみラフマニノフ(中山七里) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51937/53334250

この記事へのトラックバック一覧です: 鉄の骨(池井戸潤):

« 人材の複雑方程式(守島基博) | トップページ | おやすみラフマニノフ(中山七里) »