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数量化革命(アルフレッド・W・クロスビー(著),小沢千重子)

すごい本だ。「ヨーロッパ帝国主義が比類なき成功をおさめたのはなぜか?その理由のひとつは、科学革命に先立つ中世・ルネサンス期に、人々の世界観や思考様式が、宗教的なものから普遍的・効率的なものに変化していたことだと著者は言う。」

なるほど、今や「数量化」「視覚化」と言うのは、当たり前すぎて、存在しない世界を想像できないのだけど、冷静に考えてみると、かつてそれらが存在しない世界があったということも理解できます。

確かに、口ずさむだけで音楽になるし、日が昇れば新しい1日が始まるのだけど、そこに、楽譜や時間といった数量化、視覚化されるものが登場するのが「革命」であったに違いないのでしょう。数字、暦、機械時計、地図、貨幣、楽譜、遠近法、複式簿記などなど、さまざまなものが、欧州での中世から近世へと移行するに際し、大きな役割を果たしたのですね。それらは、のちのルネサンスや産業革命につながっていくということなんですね。

絵画では、目に見えたものを描くということから、目に見えたように描くという遠近法ができ、楽譜も今まであった楽器の演奏手順を記したものではなく音楽そのものを記すということで普遍的なものが出来たとしています。時計や海図、簿記もそうでしょう。

数を数えたり楽譜を読んだり、家計簿や会社の決算書を読むというようなことは、世界中どこでも普通にできることになっていますが、実は文明がそうさせたのではなく、数量化・視覚化されたことでヨーロッパの文明が発達したという発想には感心しました。

★★★★☆

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