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2018年1月の記事

たゆたえども沈まず(原田マハ)


今年の本屋大賞ノミネート作品はどれも面白い本が揃っている感じです。前作「ゲルニカ」のサスペンス性と言うかミステリー性がなくなりましたが、それがタイトルにぴったしの雰囲気の作品になっています。「たゆたえども沈まず」はパリ市の紋章に書かれている「Fluctuat nec mergitur」ってラテン語らしいのですけど、NECに反応してしまうのも自分でも何だかな(笑)。作品はゴッホ兄弟と忠正・重吉の2人の日本人という実在した人物で、その巡りあわせをフィクション化したものです。ゴッホの作品を見る前に読むことをお勧めしますし、読んでいてもゴッホの作品の絵を見ながら読むと楽しさが一層増しますね。

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崩れる脳を抱きしめて(知念実希人)


昨年、妻が55日間のホスピス病棟で世話になったこともあり、ホスピスが舞台だとどうしても意識がそちらに行きます。「爆弾」は爆発してしまったけど1日1日有意義だった55日間だったなあ。それはそれとして、この本は、食わず嫌いで、最初は苦手かなと思ったのですが、読んでみたら読みやすかったし、集中して読み切ることができました。それくらいテンポいい感じでした。ところどころ「あれ?読み飛ばしたかな」って引っかかる部分がありましたが、実はそれは読み飛ばしではなく後の伏線になっていたというものありました(いきなりその部活か(^^;)。主人公の同期の「冴子」って女性が魅力的です。

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盤上の向日葵(柚月裕子)


徹夜本でした。と言っても徹夜で読んだわけじゃないですが、読み終えるまで寝られなかったです。松本清張の「砂の器」的と言う評価も聞かれますが、確かにそれらしい雰囲気があります。謎解きそのものは、死体は誰か、そこのあった将棋の駒はどこから来たのか、なんですけど、人間ドラマの構成がうまいのか、読んでいて次が気になってしまいました。将棋の部分はほとんどわからず(笑)、それでも楽しめる作品でした。むしろ気になったのは「島根」「ゴッホ」「味噌屋」のキーワード。次はそのゴッホに関する「たゆたえども沈まず」を読もう。

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出会いなおし(森絵都)


冬の寒い朝にぬくぬくの布団から抜け出せないような雰囲気を持つ心地よい短編集。個人的には「カブとセロリ」「むすびめ」「青空」が印象的だった。「青空」はその瞬間の話よりもそこで語られる妻との別れのくだり。「最後の1週間は意識もなかったから、どこで別れを告げたかのかすらも曖昧のままだ」とか「やりたいことをやらせてやれなかった罪の意識が作用して」などの部分が切実に刺さったから。短編集と言う事もあり本屋大賞にノミネートはされなかったけど次作品にも期待。

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ルビンの壺が割れた(宿野 かほる)


本屋さんでは大絶賛のPOPがついていて、アマゾンなどの評価は賛否両論(賛3に否7くらいかな)。さて、どんなものか読んでみない事には分からないと読んでみました。
結婚式の当日に花嫁に失踪された男性が、その相手方の女性をfacebookで見つけてメッセンジャーでやり取りする構成です。その着想は面白いです。長文のメッセージと内容から粘着的な雰囲気が出ていて、実世界だったら私なら生理的な嫌悪感からブロックものです(笑)。それも伏線と言うなら言えない事もないですが。

衝撃のラスト4行なんですが、さすがに突然出てきた引き出しの中身の話には、そりゃ衝撃です(笑)。ミステリーと言う意味で読むと突っ込みたくなるので、なんか変な人がいるなあくらいに思って読んでいた方が罪のない本ですね。しかし、ラストを知ったらますます嫌な奴(笑)

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