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オランダ公共図書館の挑戦(吉田右子)

北欧図書館シリーズ第4弾、北欧とは違うけど近いオランダ。今まで読んだ「デンマーク」「ノルウェー」「スウェーデン」といずれも行ったことがない国でしたが、唯一行ったことのあるオランダ。でも、コンセルトヘボウには行きましたが、図書館には行っていないです(1987年1月の事)。
 
この本の最大のテーマはオランダの図書館は「なぜサービスを有料にするのか?」だろう。日本だけでなく「図書館奉仕」の理念により「無料」「公開性」「自治体による直接運営」というのが基本となっていたが、理念から得られるサービスを模索するのではなく、本来あるべきサービスからどこをどのように提供できるかというアプローチも必要なんだろうと考えさせられた。
 
「サービス有料」と言うと戸惑いや驚きを隠せないけど、公共でも美術館や博物館は有料のところが多い(そんなものだと疑問も持っていないけどね(笑))。オランダの図書館は、全部有料ではなく、無料と有料の線引きをしている。無料ありきで時代に合わせてどんどんサービスの枠を広げるのではなく、公共性から最低限の
・館内での資料閲覧
・公共空間としての図書館での滞在
・司書からの専門的なアドバイス
は、誰でも無料だし、子どもが本を借りるのも無料。一方で本を取り寄せたり通常の貸し出しは有料。公共性から見ても納得いくが、そこには、情報取得の平等という考えを阻害しないか、日本では議論が必要な気もする。
 
有料化のその収益でより充実したサービスを提供できるようになるという方向性は正しいと感じますが、この本にも記載あるように、有料化の収益が重要な予算の一部になり有料会員維持と増加が課題となるようでは本来の図書館の役割と離れてしまいます。しかし、こうした挑戦を行って、いろんな課題を見つけていくというのは、保守的手法で衰退していくよりは楽しそうです(^^

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