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2019年8月の記事

トリニティ(窪美澄)

トリニティとは三位一体と言う意味があるとか。ここで描かれる女性3人が三位一体と言う意味もあるのだろうけど、昭和の時代に女性が自らの才能で「仕事」も「結婚」も「子供」って大切なものをどれも得ようすると必死にならないといけない時代だったということなんだろうなあ。
 
東京五輪の1964年に創刊された伝説の雑誌「潮汐ライズ」の表紙を飾ったのは無名のイラストレーター「早川朔」でデビューした藤田妙子、その雑誌のフリーライターが三代続くモノ書きの家に育った佐竹登紀子、そしてその出版社の事務職だったのが宮野鈴子。
 
この三人はこの時に出会って、三位一体と言う意味で言うと、学生運動が激化して1968年10月に起きた新宿騒乱事件に3人で出かけたシーンに強調される。学生たちデモ隊の行動に触発されたのか、「ふざけるな! 男どもふざけるな! 女を下に置くな!」「男の絵なんか描きたくない! 好きな絵を好きなだけ描きたい!」と叫ぶシーンは印象的だ。
 
現在は72歳から78歳になる彼女たち、私よりもやや上の年代だけど、激動の昭和平成を女性として悩みながらも生き抜き、その結果がどうであれ、その必死に生きたことが今の時代につながっているのだろうと感じた。
前半は、妙子の生い立ちシーンが面白いと思ったけど他はなかなか読み進めなかったけど、新宿騒乱事件からそれぞれの家庭での悩みに行くあたりから徹夜読みになりました(^^

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店長がバカすぎて(早見和真)

これは最近一番に面白かった。帯に「大爆笑!暴露?愛。号泣。告発?救世主!?」ってあったけど、なかなかなニアピン単語です。実はかなり早くから謎が分かっていたのですが、それでも楽しめる本と思って読んでいたら、さらに驚愕のラスト(笑)。ホント、最終章は袋とじにしてもいいかも。しかし、この本が本屋大賞にノミネートされたら楽しいだろうなあ。
最初はうっぷんたまる書店員の話と思っていたし、その通りの展開で痛快に思いながらも主人公に共感も持っていました(少し余裕があるようなユーモアが漂っているんですよね、主人公の設定からか?)しかし100ページ過ぎたころから、これは書籍販売の構造的な問題ではないだろうか、って思うようになってしまいました(笑)
しかし、後半になると次第に物語の色が変わってきます。
どこかユーモアを感じさせると言いましたが、もうコメディとしか言いようのないドタバタ感があり、その点は少々マイナス気分ですが、それを差し引いても一気読みできる面白さでした。

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いけない(道尾秀介)

体験型ミステリーって魅力的な響き。しかも、ラスト1ページが暴き出すもう一つの真相、、って読まずにはいられないです(根っからの騙されたいタイプなんですね)。3つの短編と1つの終章からなりますが、各章に地図やら写真がラストに出てきてびっくりの真相、、、ってそう簡単には行きません(笑)。もう目から鱗みたいにスッキリ分かればうれしいのですが、残念ながら推理凡人なのか、写真をみても「へ?」くらい(笑)。必死に考えてこうことかなと思うくらい。私には灰色の脳細胞がないみたいで(笑)。しかし、この作品は面白い、、読めば読むほど味が出てくる感じかも。

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美しき愚かものたちのタブロー(原田マハ)

国立西洋美術館の母体になった松方コレクション、それがどのように買い集められ、第二次世界大戦という時代を越えて来たのか、その仕事(松方情熱)にかかわった人たちの使命感を感じさせられる作品。この本を読んでしまうと何をおいても国立西洋美術館で現在開催されている国立西洋美術館開館60周年記念「松方コレクション展」を見ないわけにはいかなくなる(福井からだと大変だけど(^^;)。
「素晴らしい美術品を見ることが、ものづくりに携わる人々にとって、最善の教育になる」という言葉を実業家の松方が言っていることに価値がある。

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