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流浪の月(凪良ゆう)

凄い作品だ。今年(どころかここ数年で)最高の傑作。
ラクビーW杯スコットランド戦ではビールを飲むのも忘れて見入ったが、この作品は息をするのも忘れて読んだ。それくらい魂が本の世界に吸い寄せられて一気読みどころか、読了感で寝付けなかったくらい(笑)
魂を吸い取られて抜け殻になった現実の世界ではシューベルトの未完成交響曲が無性に聞きたくなり何年振りかに聞いた(読書中のBGMに3回も)
この本自体には期待は少なかったし、物語自体は好きな感じじゃないけど、読むにつれて目が離せずに次を読みたくなる状況に。
人が人を理解することや「事実」から理解することの残酷さ、それを知るのは「真実」を知っている者(読者)だけだ。感情移入も相まって、主人公を痛みから解放させてあげたい、救いを与えたいとラストまで読み進めてしまう。
人が人を理解することの難しさや残酷さという毒がありながらも、それでも人を救うのも人だと言う事を感じさせてくれるのは、主人公・更紗の強さのようにも思える。最後には、更紗たちの将来に幸あれと祈りたくなる気分だった。
本屋大賞ノミネート候補作として読んだのだけど、「育児書」の中にあるいい話が選ばれる傾向があるので、「夕食にアイスクリームを食べる」この作品が選ばれるかどうか注目したい。

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