書籍・雑誌

線は、僕を描く (砥上裕將)

水墨画の世界にスポットを当てて、「線は僕を描く」という秀逸なタイトル(読み終えないと思えないけど)その点は素晴らしいと感じました。ただ、登場人物はなんとなく漫画チックでありそうな設定で思い入れが出来ないのは、もしかしたら、作者との年齢差が問題で、私が時代から遅れてきているからだろうって思ってしまいます。同時にこの作品のコミックも発売されていて、そちらの方が素直に受け入れてしまいました。しかし、なんにしても若人よ、極めなさい、この主人公のように水墨画は無理でも、仕事に対して感受性豊かに、本質が見える目を持ってほしいものです。

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熱源(川越宗一)

食わず嫌いのところがあったけど本屋大賞ノミネート7冊目の本。予想と違って読み始めたら樺太をめぐる壮大な叙事詩でした。文明とは何なんでしょう。文明というものを押し付けられて消えていく民族がいることを改めて考えさせてくれる一冊。民族でなくても、今の時代でも新技術や効率化などなど、成長することが正しくて幸せになれるという物差しで、押しつけはあるのかもしれない。そんなことを思った一冊だけど、やっぱりカタカナ登場人物は苦手だな。

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ライオンのおやつ(小川糸)

本屋大賞ノミネート本6冊目で社員もノミネート予想していた作品です。タイトルは瀬戸内海のレモン島にあるホスピス「ライオンの家」で出されるおやつのことです(レモン島、ホスピスで検索しちゃいました)。
2年前、1カ月半ホスピスに入っていた妻の心境を思って通常の精神では読めなかったです。ホスピスに入って一時元気になる妻の姿を見て、退院してからの旅行の計画もあったくらいですが、医者もプロです、そんな夢のような事は起きなかったです。濃厚な1カ月半だっただけど、ああすればよかった、こうすればよかったと後悔ばかり、あのホスピスの1カ月半はどんな気持ちだったのだろう。そばにいる人間でも本人の内側は分からないもの。
主人公・雫は前半の身体の調子がいい時には出かけて最高の笑顔を得るのだけど、次第に身体が言う事を聞かなくなり動けなくなっていくにつれ、心は研ぎ澄まされたようになっていき、様々なことが走馬灯にように浮かんでいく。もしかしたら、こんな気持ちだったのだろうか、と、本当にしみじみした気分で一気読みでした。
誰もが一度は死ぬ、不慮の事故であっという間に亡くなる人もいれば、死を宣告されて、残された時間をどう過ごすか悩む人もいる、、どれがいいのかわからないけど、ときどきこうした本に出合って、今、「生かされていることに感謝する」ことが「ライオンのおやつ」かもしれないです。

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残酷な進化論: なぜ私たちは「不完全」なのか (更科功)

「人類が生まれるための12の偶然」を読んだので一層興味深く読むことが出来ました。進化というのがどういうことなのか、人間が一番優れて進化して他の生き物は進化しなかったみたいなイメージしかなかった私には、人間が進化していない部分もいっぱいあることが新鮮でした。地球という枠組みの中で生きていくためには、死ななければ子孫を残せない運命になるのも事実なんだろう。学術的にどうなのかはわからないですが、こうした想像をめぐらして進化を考えるのも楽しいものです。

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地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書 (岩崎邦彦)

地域観光をブランド力から解説したいい本です。観光にかかわる人はもちろん、地域のトップにも行政職員の方々にも読んでいただきたいと思える内容でした。私の住む福井県もブランド力がある地域ではないです。来てもらうではなく引力を高めることを第一に考えないといけないです。「カニ」でしょうか?「恐竜」でしょうか?それとも「みそ楽」(それ何?ってなりそうです)。見る観光から感じる観光へ。

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ノースライト(横山秀夫)

「ノースライト」とは「北向きの採光」という意味です。普通、南側に窓を多く作り北側は壁が必要な部分を持って行くところを意識的に北向きの採光を取り入れると言う事で、それはどんな感じなんでしょう。陽だまりとは違う凛とした静けさと共にある光なんでしょう。その光は何だったのか、この作品が教えるところかなと思います。
最近読んだミステリーが少し亜流だったので、謎に正面から向かい合って解決する作品を渇望していました。でも、この作品でも死体があるわけではなく、「新しい家を作ったのにそこに住まずに一家蒸発したのは何故か」「その新しい家にタウトの椅子があったのは何故か」と言った謎が中心です。最後は、家族の愛情や再生につながる話になっていて、なんとなく穏やかなノースライトという言葉が似合いそうな作品でした。

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ムゲンのi(知念実希人)

「患者たちがなんでイレスという奇病になったのか」というミステリーを期待していましたが、ミステリー色は薄くて、ファンタジー作品でした。上巻は設定に馴染めずなかなか読み進めなかったのですが、上巻終わりから下巻にかけては一気読みするほど物語に引き込まれました。ククルとマブイグミを施していく世界が少々苦手で、読みながら戸惑うのだけど、なんでもあれって割り切ってからサクサク読めるようになったのかも。

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晩節の研究 偉人・賢人の「その後」 (河合敦)

「晩節」と言えば「汚す」が思い出されますが、歴史上の人物30人(古くは小野妹子から榎本健一まで)に対して「歴史上輝いていた時」ではなく「その後」を解説した本。でも、偉人たちのすべてが「汚す」晩節ではないようです。もう少し意外な人生が待っていたのかと期待が大きかったこともありますが、なんとなく印象が薄かった感じです。

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medium 霊媒探偵城塚翡翠(相沢沙呼)

霊媒師が探偵だなんて、ちょっと苦手だなって思い、普通なら読まないのだけど、読んだ人としか話が出来ない「謎」に興味があって手にして作品。
「令和元年最驚の謎」って帯にありますから、最初から構えて読んでしまいました。そのために、早くから犯人はこいつだって思いこみで読んでしまいます。帯なんていらない作品だったのに(笑)。それでも「怖い」くて「痛快」なラストを堪能できました。ほんと、「怖いけど痛快」って言葉につきます。怖いと思うのは男性だけかな?

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犬も歩けば英語にあたる(坂之上洋子)

短いエッセイなのになんか役に立つ話がいっぱいで、文化の違いを面白く優しく包容力たっぷりで聞かされた(読んだのだけど)感じです。英語が話せたらいいなあ、それもアメリカで生活する中でその文化を肌で感じながら、、って思わせる1冊でした。

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